「マーケティング」と「CX」の関係

FRINGEにおいて、Web制作や制作した後のマーケティングなどをお手伝いしている中でも気づいた事に、俗に言われている「マーケティング」は片手落ちではないのかなという事です。

Webを使った集客となれば、SEOやSEMを活用しながら認知してもらい、そのランディングする先のページを上手く制作して(LPO)、購入してもらったり、登録してもらうのですが、これだけインターネット上で情報が溢れ、皆が競うように広告を打っている中で、ある期間で認知が一時的に向上したとしても瞬間的な効果なのではないかと思うのです。

こうしたSEO、SEM、LPOや他の広告を出稿することでの認知度アップを世の中的には「マーケティング」と定義されることが多いですが、本当の意味での「マーケティング」とは既にその範囲ではダメなような気がします。

例えば、ECサイトの場合、認知も当然必要ですが、実際に購入に至るまでは、色々な情報を頼りに決める事が多いと思います。

1つ目に、「そのサイトの信頼性」です。「会社として問題なさそうか」や「商品はちゃんと届くのか」、「何かあった時に対応してくれる連絡先はあるのか」などをサイトの中や外部の参照サイトで調べます。

2つ目に、「商品の信頼性」です。「他で買うよりも安いのか」や「他の商品よりも品質が良いのか」、「直ぐに壊れたりしないか」などが分からないと、敢えてそのECサイトから購入することはありません。

3つ目に、「知っている(信頼できる)人からの推奨」です。

1つ目と2つ目は、「必要条件」です。一方で、3つ目は「十分条件」です。つまり、1つ目、2つ目は最低条件ですが、3つ目は最終決定に非常に影響する内容ということです。当然、サイトの信頼性がなさそうであれば2度と訪問されることはありませんし、商品が怪しければ、購入されることもありません。

ただ1つ目と2つ目をクリアしても、なかなか購入(CV)に至るのは難しいです。3つ目の「知っている(信頼できる)人の推奨」があれば、一気に購入(CV)へのハードルが下がります。ですので、当然集客において、サイト情報を充実させたり、商品説明を分かりやすく魅力的にすることは最低限として必須ですが、それだけしてれば「マーケティング」にはならないという事です。

つまり、実際に購入してもらって、その人が「いいじゃん!」と思って、何度も利用してもらい、最終的に他の人に薦めるまでになることが非常に重要なのです。

その為には、購入してもらった人が、「またタイミングが来たら買いたいな」と思える「カスタマーエクスペリエンス(顧客体験)」をしなければいけないのです。

そうなると、いかに「電話対応で丁寧に直ぐに回答できるか」や「メールで細かな情報を適切に教えてくれる」だったり、「配送について情報も丁寧で心配ない」、「購入までの手順が簡単・楽ちん」などが重要になってきます。この辺りは案外、「オペレーション」という扱いをされ、「マーケティング」の中に入ってこない事が多いですが、実際は「マーケティング」の「十分条件」に関わる大変重要な内容なのです。

今までの集客がメインに置かれた「マーケティング」の意味から、今後は「CX」を踏まえた「マーケティング」の定義に進化していくような気がしています。

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