最近、私は1日の中の時間の使い方で、下記のバランスがなるべく偏らないように注意しています。
1.伝える時間
2.こなす時間
3.深める時間
1の「伝える時間」は、「人間の本能」としても「組織運営」にとっても重要な時間になります。
人間の本能として、原始時代から「孤独感」に対しては強いストレスを感じるように出来ています。原始時代であれば、孤独は死に直結し得るからです。現代においても「孤独」は精神的にも肉体的にも自己を破壊していきます。自分の考えや存在を他者に伝えたり、コミュニケーションを図ることは本能的にも重要です。
また、組織運営上も社内メンバー(上司や部下)に対して、適切な時間で接し、お互いの考えを伝えあうことが重要です。特にマネジメントする立場の人は、部下の人達から「ちゃんと上司は自分達のことを見てくれている」と思われるくらいには「伝える時間」が必要です。
「見てくれている」と思われれば、ホーソン効果(※)が発動することでしょう。
※ホーソン効果
アメリカのホーソン工場で、ハーバード大学による労働者の作業効率向上の実験調査が行われました。「照明の明るさを30%明るくすると作業効率は何%向上するか」などの実験を行いましたが、結果的に照明の明るさを30%明るくしても、元に戻しても作業効率は30%向上したそうです。結果的に実験で分かったのは、権威のある人や組織から見られているという事自体が、やる気や生産性を向上させることでした。そうした現象をホーソン効果と呼ばれています。
2の「こなす時間」はまさに「ルーティンワーク」の時間です。
自分もホテルの自分の席についてから行う事は、いつも決まっています。まずは、パソコンを立ち上げ、SlackとE-mailを立ち上げます。その間に自動販売機で水を買い、戻った頃に、立ち上がった未読のSlackとE-mailをざっと見ていきます。直ぐに返信しなければいけないもの、考えて返信すべきもの、削除してもよいものに分類して、返信。その後、オンラインバンクで明細照会を行い、帳簿を最新の状態にアップデートします。その頃にメンバーが朝食会場で余ったコーヒーを持ってきてくれるので、コーヒーを飲みます。
ここまでを1時間行うのが、自分の日々のルーティンワークです。
ルーティンワークが終わる頃には、頭も回転し始めるので、そこから頭の中で1日の時間の最適化を行っていきます。「こなす時間」の最大のメリットは、「考える必要がない」からこそ集中モードを作りやすいことです。また、「こなす」ことで常に一定のアウトプットは出来る為、クリエイティブ性はなくても脳は何かをやった感で満足感が得られます。いきなりクリエイティブな事を考えようとしても、なかなか難しく、アウトプットが何も出てこないと脳が否定的な気分に苛まれます。
ただ、「こなす時間」しかしていないと、それはただの作業者になってしまいます。「こなす時間」は必ず制限時間を決めて実施する方が良いです。
3の「深める時間」は、自分の考えを見える化し、粘土遊びのように変化させてみる時間です。
自分の考えの対象となるものは何でも良いと思います。事業に関するものであれば、事業計画であったり、マーケティング施策であったり、カスタマーサクセスであったり、新規事業アイディアであったり、オペレーションの見直しだったり。。人材に関するものであれば、採用方針であったり、評価指標であったり、忘年会や社内ワークショップの設定であったり。。理念に関するものであれば、ミッションであったり、提供価値であったり、ビジョンであったりするでしょう。
2の「こなす時間」と異なり、昨日とは異なる視点・アプローチ方法や手段を常に考える時間になります。
3の「深める時間」がなくなってしまうと、自分の考え方に何も変化のない、放っておくとついつい大量の情報の波にのまれて、いつの間にか誰かが言っている言葉をそのまま言っているだけの人になってしまいます。
なので、自分もなるべくこの3つの時間のバランスが偏らないように、一週間の中でうまく調整するように努力しています。