「UI」と「UX」の違い

最近、業務支援用のアプリを開発したり、コーポレートサイトやサービスサイトの再構築を検討する中で、「UI」と「UX」について改めて考える機会が増えています。

「UI」と「UX」は、5~6年ほど前から頻繁に言葉としては聞いていましたが、「UI/UXデザイナー」と言われていたこともあり、「デザインに関する知見なのかな」と自分とは縁遠いものだと思っていました。

しかし、よくよく調べてみると、「デザイン」のみに閉じた内容ではないと分かりました。
更に、「UI」と「UX」は関係性はあるものの、意味としては全然異なるものであることも知りました。

UI」は「User Interface(ユーザ インターフェイス)」ということで、ユーザ(お客さん)と接する部分の要素について指し示しています。

例えば、「エレベータ」であれば、各階のボタンや「閉じる」や「開ける」ボタンなどです。
Webで言えば、「メニュー」リストにあたるグローバルナビゲーションや「問い合わせフォーム」の入力部分などです。挙動(アコーディオンタイプなど)、配置・大きさなどで見せ方が変わります。
スマートフォンで言えば、アプリのアイコンです。サイズや角丸のデザイン、アイコン毎の隙間のサイズや配置で、使いやすさが全く変わってきます。

当然、インターフェイスとして接する部分は、「触る」以外にも「見る」も含まれるので、画像やテキストなどのデザインも「UI」としては重要な要素となります。

ですので、比較的に「デザイン」の意味に近いのが、「UI」になります。

一方で、「UX」は「User Experience(ユーザ エクスペリエンス)」の略にて、ユーザ(お客さん)が体験するプロセスや内容、感情の起伏について指し示しています。

例えば、「エレベータ」であれば、「上がるボタンを押す」→「待つ」→「電光の階数表示を見て、そろそろ到着すると感じる」→「扉が開いて人が出てきたので、横によけて全員が降りるのを待つ」→「乗り込む」→「行先の階数を押す」→「閉じるを押す」などです。
Webで言えば、「トップページのメニューから会社概要を押す」→「会社概要ページで会社の情報を見る」→「信頼できそうだから、サービスページに移動する」→「サービスの内容を読み始める」→「内容が良くわからない為、ブラウザのタブをそっと閉じる」などです。
スマートフォンで言えば、「出張先の場所で晩御飯を探す為にスマホのアプリを起動する」→「場所を現在地、目的をディナーにセットして検索をかける」→「表示されるお店リストの中で、予算内の金額と写真の雰囲気が良い店を探す」→「見つけた店の写真画像をクリックする」→「料理画像を見る」→「画像を指でピッチして拡大して確認する」→「スクロールして、お店情報のオープン時間と定休日を見る」→「お店名のテキストをコピーして、アプリを閉じる」などです。

ですので、比較的に「デザイン」の意味に遠いのが、「UX」になります。

つまり、「UIデザイン」となると、ユーザが直接触ったり、見たりする部分での形状や色をデザインするイメージですが、「UXデザイン」となると、ユーザがどのような行動をし、どのようなプロセスにおいて喜んだり、イライラしたり、悩んだりするのかを設計するイメージとなります。

このように「UI」と「UX」はユーザを介して非常に関係性がありますが、気を付けなければいけないのは、「UI」が良ければ「UX」が良くなるとは限らないことです。

有名な例として、「アメリカのヒューストン空港の手荷物引渡所」があります。以前より、その空港では、手荷物引渡所の待ち時間が長いという顧客からのクレームに晒されてきていました。空港は増え続ける不平に対処するために、スタッフを増員することにより、平均待ち時間を8分までに短縮させることに成功しましたが、それでも苦情の数は減りませんでした。

そこで、空港がとった方法は、「手荷物引渡所までの距離を延ばし、乗客に空港内で長い距離を歩かせるようにした」というものです。これまでは、到着ゲートから手荷物引渡所まで1分歩き、そこで7分待ってようやく自分の手荷物を受け取っていました。それを敢えて、到着ゲートをメインターミナルから離すことで、乗客は手荷物引渡所まで6分も歩くことになりましたが、苦情の数はほぼ0まで激減しました。

「UI」を改悪させることで「UX」を改善させた事例の一つです。

Webにおいても、ECショップなどで、最後の「購入ボタン」までのスクロールが非常に長い商品ページを見かけることがあります。「UI」的には「購入ボタン」が分かりづらく、良くないのですが、そのスクロールの間に商品の画像やストーリーなどをテレビ通販のように流すことで「購入ボタン」に行くまでに、商品をより良く知る体験が出来るという意味で「UX」的には良いパターンもあります。

ですので、新しいプロダクトを開発する場合や新しいサービスサイトを作る場合は、対象となるユーザを設定して、
まずは「UX」から検討することが重要になります。
そして、その「UX」を基に、どのようなインターフェイスであれば適切で、かつ自然にユーザに伝わるかを考え、「UI」をデザインしていくのが良いかと思います。

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