個と団体

6月2日、3日と旅館経営教室というセミナーをホテルで開催しました。

全国から一流旅館の皆様が来られ、恐縮でしたが何とか無事に終えることができました。

その後、参加者の方と個別にご連絡も重ねさせて頂き、こちらから旅館の方に伺う機会も頂きました。有難いことです。

参加者の皆様は、どなたも貪欲に吸収しようという意欲が凄く、積極的に質問を頂く場となりました。旅館団体の若手後継者のイメージと言えば、お坊ちゃん的で人の好さそうな雰囲気を醸し出しているのですが、今回の参加者の方は誰一人としてそうした人はいませんでした。

みんなで渡れば怖くないといったタイプの人は一人もおらず、個として常に新しい解答を誰よりも早く探そうとしている人達でした。

予想をしていたものの、そのプレッシャーは思った以上で、なかなか大変でした(汗)

とはいえ、自分の知っている事、やってきた事以外は話しようがないので、正直にそのまま発表しました。結果、「旅館のオヤジ感が全くなくて非常に刺激的で新鮮でした。」と感想も頂けました。

アウトプットの内容はともかくとして、こうした人達に出会えた場を持てたのは非常に有難いと思いました。

その後、個として継続して繋がる方もいるでしょうし、法人として繋がる方もいるかもしれません。

いずれにせよ、入口は団体やセミナーで良いので、その後、自然と繋がる個と個の関係性が非常に重要なのではないかと感じました。

今、FRINGEも(なぜか)スタートアップ企業として、愛知県のスタートアップエコシステム(STATION Ai)の中に入れさせてもらっています。

こうした団体の仕組みの良さは、色々なステークホルダーの人達(VC、金融機関、先輩起業家、スタートアップ、県職員、士業、監査法人)に出会えることです。

その中で個と個として継続して付き合いたい方に会えれば(団体がなくても)自然と続いていきます。

一方で、その団体の一員として機能しなければいけない事が徐々に優先されていくと、デメリットの方が増えていくとも感じます。

参加しているスタートアップ同士で傷を舐め合う飲み会やイベントなどが増える、先に入っている人達の派閥が出来る、先に入っている人達が偉そう、などなど仲良しサークル状態であまりイベントに参加していないと「はみ出されて」しまうことも多いです。

スタートアップは激烈な資本主義が適用され、90%以上が淘汰され消えていきます。正直、仲良しサークルしている時間はあまりないような気がします。

旅館組合やJC、ロータリーなども同じです。

ロータリーに入れるレベルであれば財務的にも問題ない所が多いので良いのかもしれませんが、組合などは1つの施設では意見が弱い為に連携を組むのが設立の目的ですから、スタートアップ同様に仲良しサークルをしている余力はありません。

自分の父も若い時にJCに入って役職なども担っていたようですが、結果自分の会社はなくなってしまいました。

もちろん団体に入る事はデメリットだけではないと思います。

ただ、いつの間にか個がなくなり団体の為に動くことが優先されてしまえば元も子もないです。まちづくり団体やコミュニティなど、盛んになってきている時代ですが、人によっては個と個のネットワークを重視して団体への所属を必ずしも増やす必要なないのかなと思うこの10年です。

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