見た目だけで味覚を変えられる?

日中は、私はホテルの支配人として財務やシステム、マーケティングを中心に仕事をしています。その中で現在お客様の満足度を上げる為に、朝食内容のリニューアルを計画しています。その為、参考となる他のホテルの朝食を食べに、東京へ行ったり、福岡に行ったりしています。

そうした中で改めて個人として、「どのようであると人は朝食(はたまたホテルの宿泊体験)として満足するのだろうか」と考えてみることにしました。より根本の脳の反応として検討したいと思ったのです。

例えば、朝食で満足する理由としては、「食べたいと思うものがある」「美味しい」「量が多い」「コスパが高い」「変わったものがあって面白い」「写真映えする」「ご当地ならではの朝食で嬉しい」など色々あるとは思うのですが、人の脳の特性から考えてみると、そもそも食べる前に「満足できる朝食だ」と脳が先に考えてくれるように情報を上手く伝えることなのではないかと思うのです。

有名な実験として、「ペプシとコーラどちらが美味しいか?」の例があります。被験者に目隠しして飲んで味を比較してもらった所、「ペプシ」の方が美味しいという結果が出ました。しかし、目隠しをせずにペプシとコーラのラベルが見えた状態で、飲んで比較してもらうと、「コーラ」の方が美味しいという結果が出るのです。

ラベルが見えた状態で飲んだ被験者の脳の様子を見てみると、「コーラ」を飲む方が「ペプシ」を飲むときよりも、脳の前方部分である背外側前頭前野と呼ばれる「作動記憶」「連想」「高次認知」「高次観念」などの人間の高次脳機能に関する領域が活発になります。つまり、味覚だけでなく「コカ・コーラ」のブランドが高次の脳機能を活発にさせるのです。そして、脳の前方部分に脳内快楽物質であるドーパミンの経路があることで、連想記憶を発動させると同時に快楽中枢の活動も促進させ、結果コーラを飲むと「美味しい」と感じてしまうのです。

さて、それを踏まえてホテルの朝食に話を戻しますと、朝食でお客様に満足頂くには、「朝食を口に入れる前に脳に良いイメージを先に入れておく」ということが重要になりますので、下記を実践しようと検討しています。

1.HPや予約サイトに出ている朝食情報の見せ方を工夫する(写真、テキスト)
例.サラダ < 新鮮サラダ < 地元愛知県で朝採り直送の美味しいレタスと、、、
2.朝食会場以外のホテルの場所(EV内や朝食会場前など)に事前に写真など情報を見せる
3.統一感のあるオシャレな食器、什器で提供する朝食材料を彩る
4.食べる環境を良くする(スタッフの挨拶、席の配置、音響、植物や照明など)
5.美味しい(美味しいと見える)朝食メニューを増やす

「5.美味しい朝食メニューを増やす」というのは大前提として当然なのですが、1~4がなければ脳は本当の意味で満足はしてくれないと思っています。どんなに高級なフカヒレ料理でも、コンビニのプラスチック容器に入って学校の食堂で出てきたら、そこまで美味しいと感じないようなものです。(ワインもブルゴーニュ用、シャルドネ用、シャンパン用とワインに合ったグラスを買うだけで、どんな安いワインでも美味しいワインに変換させることが出来るようです。)

「良いものを作れば、必ず売れる」のではなく、「良いものを作って、良いものだとちゃんと伝える事が出来れば、必ず売れる」と信じて頑張ってみようと思います。

関連記事

  1. 攻めの脳内物質について

  2. 人を動かす方法

  3. BBQから学ぶ事業立ち上げ

  4. 有酸素運動による効果検証(1ヵ月目)

  5. アイデア自体は重要ではない

  6. 整理整頓からわかる頭の中

  7. 自分の頭を覗いているもう一人の自分

  8. そしてホテルの支配人へ

PAGE TOP