資料でのグラフや表の使い方

資料作成のコツをもう少し具体的に整理しておこうと思います。
前回の記事「資料作成のコツ」で紹介した、資料の構造の中で「チャート」にあたる部分について深堀りしてみます。「チャート」とは資料の1ページの中身のことですが、つまりは資料の構成パーツそのものとなります。

「チャート」を大きく2つに分類すると、「思考系」「ファクト系」になります。

「思考系」は、考え方やプロセスなどの思考的内容を「連鎖図」「フロー(矢羽)図」「ツリー図」「マトリックス図」で分かりやすく表現する資料ページになります。
一方、「ファクト系」は、売上高やシェア、製品性能などの具体的な数字や専門家やユーザコメントや新聞記事のような引用テキストを「画像やテキスト」「表」「グラフ」を用いて分かりやすく表現するページになります。

「思考系」は頭の中の整理にもなり、伝えたい相手にもイメージが伝わるので非常に有効ですが、その分表現することが難しい資料になります。
「ファクト系」は多くの資料で見られるものになります。経営的な数字を「表」や「グラフ」で書いてあるのがビジネス資料だと思っている方もいるかもしれません。「ファクト系」は誰でも作れるのですが、「伝わる」ファクト系資料は意識して作らないとできません。

たとえば、「画像やテキスト」の場合も、全てテキストで書くよりも画像やイラスト絵にして表現する方がより人に伝わる資料になります。

また「表」の場合、数字だけ細かく記載された表だけ載せている資料もありますが、表の数字を上から一つ一つ見ていかないと何が言いたいかが一目で分かりません。
この場合、「表」の中の数字に色付けの棒グラフなどを背景につけて、他よりも大きい数字や小さい数字がすぐに分かるようにするなどの工夫が重要です。

「グラフ」もそれぞれ表現したいものによって使い分けなくてはいけません。

「棒グラフ」は大きさや動きに有効。最も汎用性が高く使用頻度も高い。
「面グラフ」も大きさや動きに有効。ただし、見た目の面積の大きさが実際の数字の大きさと一致しない為、誤解を招く恐れがあるので活用には注意が必要。
「折れ線グラフ」は動きと比較に有効。ただ「棒グラフ」の方が優秀な場合が多い。
「散布図」は動き、位置、比較に有効。特に位置での利用頻度が高い。
「バブル」は大きさ、位置、比較に有効。特に位置と大きさを同時に表すときには最適。
「レーダー」は大きさに有効。ただし、レーダーも面グラフと同じく見た目の大きさと実際の数字の大きさと一致しない為、あまり利用しない方が無難。
「円グラフ」は大きさに有効。ただし、無駄にスペースを取る為、資料には不向き。

汎用性の高い「棒グラフ」は更に見せ方として、複数棒グラフを並べて示す「バーチャート」や面積も含めた棒グラフの「量率グラフ」や縦棒グラフを分解して積み上げ感を出した「積み上げグラフ」などの工夫もあります。

「そんなのいちいち考えていたら面倒くさいよ」と思うのであれば、その資料はそもそも資料にする必要はありません。資料というのは、誰かに伝える為に「わざわざ」作っているものですから、「伝わらない」資料はそもそも作る必要がないのです。

社内向けにおいても、口頭でしかもデータだけでお互いに共通イメージが湧き、アクションに繋げられる場合は当然ながら資料にする必要はありません。データや口頭のコミュニケーションでは伝わらない時や合意形成を得られない場合に、初めて「資料作成」の意味があります。更に、100人、1,000人、何万人という人に伝えたい時には、口頭で一人一人説明していては、到底間に合いません。そうした場合にも「資料作成」の意味があります。

「伝わる」資料は、「伝わる」デザインとほぼ同一のロジックが裏に通っています。

関連記事

  1. ブランド化における「識別・差別化」

  2. 「プレイヤー」と「マネージャー」

  3. 軽薄なトップダウンとリアルのボトムアップ

  4. コロナが教えてくれた事

  5. アナログじゃなきゃダメな領域

  6. 一点突破

  7. 継続性を邪魔するKPI

  8. 大企業からベンチャーへの転職の罠

PAGE TOP