新型コロナの影響で、直接人と関わるビジネス(飲食、宿泊、観光など)は大きくダメージを食らい続けていますが、一方で人と直接関わらないビジネスにおいても「テレワーク」の推奨や普及によって、ビジネスの持ち方が変わりつつあります。
「テレワーク」の特性を有効活用することで、個別のアウトプットの差別化を図る方法など、比較的この環境下ありきで何が出来るかといった記事がフォーカスされていますが、そもそも「テレワーク」業務は増えていくのでしょうか。
テレワークで増えるのは「作る業務」、削減されるのは「間接業務」
テレワークで出来る業務は、売上に直結する「作る業務」と売上に関係のない「間接業務」に2分されます。
システムやアプリ、デザインなどの「作る業務」は、この環境下で更にテレワークが促進されていきますし、今後も増えていくと思います。
一方で、経理、法務、総務、中間管理職による稟議の決済、経営企画といった直接売上に関係のない「間接業務」はテレワークになってしまう事で作業アウトプットのみが求められることとなり(人とのコミュニケーションによるチームビルディング力などは評価されにくくなる)、人(業務)の評価がシンプルになり、人員の削減や競争激化が生じ、これしかできないという人は今後淘汰されていってしまう気がします。
市場が縮小したら、農耕民族はどうすべきか
農耕民族的な管理、つまりは専属分業制の管理方法は人が大勢いる大企業になればなるほど、効率的なやり方になります。ですので、営業部や経理部、総務部、経営企画部等どんどん機能を分業して、各機能に特化した形でそこに働く人々は専業します。
実際にコンサルティングファームで働いていた時は、この「経営企画部」の機能に特化した形で専業していました。この形態はマーケットが既存事業に対して継続的に存在し、その事業を最も円滑に進める際に非常に適しています。(コンサルも大企業の中の年次予算に組み込まれて炎上しない限り円滑に継続されます。)
ただ、こうしたコロナ禍などによってマーケットが激変したり激減したりすると、これまでの構造でそのままの人数をテレワークとして全員存在させる事はビジネス上、非効率となります。
そうなると、テレワークの質を上げようとか言うよりも、遊牧民的な管理、つまりは個々がオールラウンダーとして戦闘民族になる方が効率的になります。
遊牧民族としての戦闘力を付ける
大型の製造業になると難しいかもしれませんが、企画する・作る・販促する・営業する・経理する・チーム作る為に総務する、といった所まで一人でやれるようにするのです。
モンゴル帝国における各構成メンバーと同じ形式です。ベンチャー企業においては、こうした一人で何でもできるパターンは多く存在していると思います。(ただ、最近のベンチャーはコンサル上がりで経営企画と資金調達しか分かりませんといった人もいるので、一見クリエイティブに見えて、見せかけのパターンも多く存在します。)
コロナ禍が続く中でのテレワーク推進は、高いオフィスからの引越によるコスト削減だけでなく、部署人員自体の見直しや外注化、間接部門の縮小の促進、更にはオールラウンダー部署が新たに生み出されていくように思います。
特に新規事業を立ち上げるチームは、コミュニケーションによるファシリテータ力や調整力が長けた人よりも、自身がプロダクトを作れることが必須になってきそうです。(議論の前に、まずは軽く作ってみた、1回使ってみての感じ)
農耕民族で慣れてきた日本が、ビジネスにおいて遊牧民族にどのように変遷していくのか非常に楽しみですし、自身も更に対応可能範囲を拡張していこうと思います。