モノを大切にすべき本当の意味合い

GWに突入し、令和に年号が変わる前の10連休ということで、世の中はとっても休日感に溢れていますが、我々サービス業(特にホテル業)は連日満室の為、お休みはありません。

そんなGW明けるタイミングで自宅の引越をする予定です。(2軒隣のマンションなので住所は殆ど変わりませんが。)良いタイミングでしたので、家にあるモノの「こんまり」片付けをしてみようと思いました。同じような家庭と比べれば、自宅にあるモノの量は多くなく、テレビも見ない為、うちにはテレビもテレビ台もありません。

とはいえ、整理してみると案外モノは多くあり、全く使っていないものやスパークジョイしないもの等、部屋の棚の片隅に追いやられたモノたちを多く見送ることになりました。そうして、最終的に残った「こんまり化されたモノ(?)」≒「選抜選手たち」に囲まれながら、改めてモノを大切にする意味合いについて少し考えてみました。

スピリチュアルな考え方として、「モノには魂が宿る」といった解釈もあるかと思いますが、より合理的な解釈として、「モノは外部記憶装置であり、優秀な外部ドライバーである」からモノを大切にすべきなのではないかと思います。

最近、「デフォルトモードネットワーク」といったアイドリング状態の脳についてや脳で発動される脳内物質など調べていると、脳のポテンシャルの凄さと共に、そのポンコツ具合も理解できてきました。

脳にも限界はあり、同時に複数のこと(不安、悩み、複数の仕事など)を考えたりしていると、脳が1点に集中できず、かなりのストレスと労力を使ってしまい機能が鈍ってしまいます。更に、その状態をストレス(危険)状態と勝手に脳は判断し、アドレナリンやノルアドレナリンなどの攻撃的な脳内物質を絶えず出してしまいます。そうすると、記憶機能も低下し、ただただイライラしている人になってしまいます。

脳を1点に集中し、最も効果的にアウトプットをする為には、「モノ」に外部記憶としての機能を持たせ、更に行動のドライバー(きっかけ)機能を持たせることが良いのではないかと思うのです。

実際に、人間とモノの関係は無意識にそうなっている気がします。例えば、職場に着き、パソコンの電源を入れた瞬間に、次の行動のドライバーをパソコンが勝手に作ってくれていると思います。また作業道具を持てば、それが何をする道具で、次に何をすべきかもそのモノのお陰でスムーズに脳が反応することができるのです。

一番分かりやすいのが、思い出の写真です。見た瞬間に、その当時の匂いや気温、雰囲気、情景などを思い出します。モノはある種、一旦記憶と行動ドライバーを保管しておく外部記憶装置であり外部ドライバーなのです。

この脳を集中させる、しっかりと休ませる為の外部記憶装置としてのモノが無駄に多くあったり、仕事中に目に入る場所にあったりすると、脳が勝手に目に入るモノから連想する記憶やドライバーを引き起こしてしまい集中できなくなってしまいます。逆に、無駄なモノがなく、適切な時に適切なモノが目の前にあり、そのモノに対して愛着や大切に思う気持ちがあれば、自然と脳へ働きかける記憶やドライバーも良いものに変わると思います。

「モノを大切にしなさい」と言われる所以は、こうした「脳の分身であるモノを大切にすることで、自分を大事にしなさい」と言っているんだなと自分なりに勝手に解釈しています。

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