ホテルの設備や備品管理のアプリ「HoteKan」をFRINGEで作る前に改めて思ったことがあります。それは、「今スグ解決したいことは、問題が解決してしまうと忘れてしまう」ということです。
例えば、ホテルで言えば客室設備の不具合です。天井や壁から水漏れやトイレの故障、窓が開かない、空調がうるさいなど、大小様々な不具合が定期的にホテルでは起こります。
ただ、設備の異常は起こっている真っ最中では、緊急かつ最優先トピックとなりますが、解決して過ぎ去ってしまうと、特に何も気にしなくなり、そのあとでは話題にすら上がりません。(当然メモ書きで記録したりもしません。)
これと似たことが、人生における初体験系で起こります。例えば、「受験勉強」「就職面接」「社会人1年目」「旅行」「結婚」「転職」「出産」「育児」「入院」「起業」「介護」などです。
そのタイミングにならないと一切関心も興味もないですが、そのタイミングが来ると体験したことがない為、Googleで必死に検索したり、人に聞いたり、専門雑誌を見たりしてとことん調べ始めます。そして体験が終わると、関心は薄くなり、知識や知見の記録も特にせずに過ぎていきます。
ですが、経験していない人からすれば、「何でその経験を教えてくれないの?」となります。
この情報のギャップこそが価値なんだと分かった時に、「HoteKan」を作ろうと思いました。HoteKanは、「設備の異常発見」→「撮影、状況記録」→「解決策選択」→「解決」→「解決後の状態撮影」といった形で、まさに事件が発生している状態で都度記録します。すると、次に同じような設備の異常が起きた時に、解決したことのない人(経験したことのない人)もこのHoteKanを見れば解決方法が分かり対応できます。更にその様子を自分で記録して、次の知らない人にバトンを繋ぐことができます。
「旅行」「結婚」「出産」「育児」「起業」などの比較的にポジティブな内容に関しては、FacebookやInstagramなどSNSでも人々の体験が共有される為(よく見せようと誇張されている部分もあるかと思いますが)、それほど情報に困る事はないかもしれませんが、HoteKanで扱うような「設備の異常」といったマニアックな内容や、「就職面接」「社会人1年目」「入院」「精神的な病(鬱)」「介護」など比較的にネガティブな内容や写真映えはしないものはSNSでも共有されにくく、2chなどの掲示板やニュースサイトの記事くらいでしか情報が補えません。(「設備の異常」の解決策は、個別事象過ぎてGoogleで検索しても中々出てきません。。)
このFRINGEブログにおいても、「構造化」についてのPV(ページアクセス)は非常に多く、実際に自身がコンサルティング時代に経験したリアルな知識は他の人にとっては意味があるのかもと気づかせてもくれました。
今後も出来る限り一般論や抽象論ではなく、実例ベースで知見を見える化することを意識して、情報を記録して残していこうと思います。(またそうしたサービスも作っていきたいと思います。)