来週の11日、三連休明けから始まる「全国旅行支援」の準備に追われています。
GoToトラベルの都道府県版といった感じで、宿泊料金の割引(40%)とクーポンが発行されます。平日のクーポンが3,000円と、6,000円~7,000円の自身の運営するホテルの単価であれば、実質500円~1,000円ほどで泊まれてしまいます。
マニュアルが宿泊施設に届いたのが実施の一週間前である10月4日ほどで、そこで確認した内容が余りにもアナログ回帰していて正直愕然としています。。
愛知県がもともと実施していたエリア限定のキャンペーンは比較的に紙を排除しようとデジタルなオペレーションとなっており、非常に好感が持てたのですが、エリアが全国に拡大した途端、紙に戻りました。
単なる紙ならばまだ我慢するのですが、オペレーションがより面倒になっています。お客様の情報を1日毎に入力し、それをプリントアウトしてサインしてもらう、クーポンも1日毎にQRコードで有効化して、管理番号を控えて、1日毎にお客様にお渡しする。
これとは別に通常のホテルのチェックイン業務があります。一人当たりのチェックイン時間は3分ほどから10分ほどに伸びてしまいます。
それほど大きくないうちのホテルでも1日100名ほどはチェックインされます。50名の対応をするとなれば、7分(増える時間)×50名=1,200分(約6時間)、つまり1名のスタッフの働く1日の時間と同等です。
お客様をお待たせする上にスタッフの生産性が極端に悪くなります。
事務局に問い合わせしても、「それほど面倒な作業ではないと思いますが」と言われました。
サービス業における生産性向上の課題が叫ばれる中で、なかなか現場の状況が伝わってないのだなと痛感します。
キャンペーン自体は金額的にも非常に大きな支援にて、宿泊業としても有難く、更に個人としても積極的に使っていきたいと思っています。
ただコロナ禍に加え物価高で食材やエネルギー、アメニティなどのコストが急上昇する中、スタッフを減らしギリギリでやり繰りしているホテルも多くなっています。
そんな中にオペレーション負荷を追加するのは非常に酷です。
正直、アップサイドの売上向上効果よりもオペレーションコスト増が上回るのではないかと心配しています。
新たなシステムを導入・開発する場合、より現場のオペレーションが少なくなる全体設計をしてくれる方が今後増えてくれればと切に願いつつ、世の中にいなそうであれば自分達で作っていくしかないのかなと考えています。
「全国旅行支援」のオペレーションを通じて、今後も現場とIT・AIの両面を行ったり来たりできる方が重要となるなと実感しました。