前回の記事で、「考える」で止まらず、「考えているものを、言葉に替える」ことの重要性について書きました。
こうした、ある事象が起きてその時に自分が何を考えているか、どう捉えているかを、毎回客観的に言葉に置き換える訓練を行っていると、自然と「自分の頭を覗いているもう一人の自分」が出てきます。
「自分の頭を覗いているもう一人の自分」 が出てくると、自分なりの考え方のクセや思考プロセス、軸の切り方などが徐々に分かるようになってきます。
一方で、「自分の頭を覗いているもう一人の自分」がいない状態で、頭の中にインプット情報がどんどん入ってきてしまうと、何が何やら分からなくなり、「頭がもやもやする」状態になります。その状態になってしまうと、それ自体を言葉にして話すこともできないので、アウトプットする情報もどんどん意味不明なものになっていってしまいます。
逆に、「自分の頭を覗いているもう一人の自分」がいれば、例えば「A」というインプット情報が入った時に、「α」という解釈を自分はするんだなと客観的に捉えることができ、A→自分解釈→α、つまりF(A)=αといった形で数式化され、その数式を言葉にしてアウトプット(話したり、書いたり)することが出来ます。
更にその上で、「考えている」→「考えていることを話す」→「考えていることを伝える」と考えている事をアウトプットしていこうとすると、どこが自分の思考の中で足りていないのかがハッキリしてきます。どこかで思考内容が足りていないと、その部分で言葉にならないからです。ただ、それに気づける事によって、更に思考を深く広く拡げることができるのです。
こうなれば、意味のある解釈を外にドンドン出せるようになります。外に言葉が発することが出来るまでに、内側で考えが整理されてくれば、直ぐに具体的な行動に移すことが可能になります。
以前に「こんまりメソッド」について書いたことがありましたが、このこんまりメソッドは、頭の中に入ってくる無駄なインプット情報をなるべく減らして、深い思考ができる環境を作り、結果的に思考したものをどんどんクリアにして、それをアウトプット(発言、伝える、表現する)することによって、具体的な行動に結びついていく為の「初めの一歩(環境)」を作っているということなのかもしれません。