設備不良と体調不良のアナロジー

HoteKan設備の開発を進めている最中にも、支配人をしているホテルでも設備異常が連発し、更に清掃管理しているホテルにおいても様々な設備トラブルが聞こえるようになってきました。

ホテルにせよ、ホステルにせよ、旅館にせよ、立ち上げ時やリニューアル時は高揚感の中で(どんなに準備が大変で徹夜を連日していようが)キレイな内装も相まってハイな気分になるのですが、重要なのはその後です。いかに事業として毎日問題なく継続させるかの方がよっぽど大変なのです。

日々劣化する建物と設備・備品たち

まず出来上がった状態を継続する「地味さ」に耐えられなければいけません。また出来上がったものは汚れたり、壊れたり、壊されたり、盗まれたりはするものの、自然に新しくなったり、増えたりはしません。最初にどれだけカッコいいものを作り上げても、その後の運用次第では日々劣化版を提供していくことになります。

オペレーションやマーケティングは継続しながらPDCAを回せる為、日々進化する可能性があります。しかし一方で、建物や設備、客室の備品などはお客様が日々使用していく度に傷んできてしまいます。

設備異常を記録する

そこでポイントとなるのが、「画像や動画を付与した設備異常とその解決方法の記録」です。文字情報以上に画像・動画情報は情報量が多く、リモートでも問題や修繕の方法のヒントが見えてきます。

どの時期にどのような設備異常が多くみられ、そしてどのように解決していったか、解決にどれくらい時間がかかったか等を記録しておくことで、設備異常が起きる前に予防しておくことも可能になります。

そうなれば、日々劣化していくスピードを限りなく抑えることができ、更に劣化による提供価値の低下が著しい設備に関しては、先んじてリニューアルタイミングを決めておくことでファシリティマネージメントすることができます。

1年で85個の設備異常を記録

例えば、私の運営しているホテルにおける設備の不具合について、昨年の8月から今年の8月の1年にかけての記録を簡単に紹介します。
(実際はこの倍以上はあります。最近ようやく記録できるようになってきました。)

1.水はけが悪い
2.お湯の水圧が弱い
3.お客様の吐瀉物による汚れ.
4.浴室天井換気扇から異音がする.
5.トイレ化粧キャップが両方ともなくなっている
6.コンセント差込口の一部が欠けている
7.内窓がしっかり閉まらない為、隙間から光が漏れている
8.トイレの水が流れ続けている(音はしない)
9.シャワーホースの水漏れ
10.お湯の出が悪い、お湯の温度がぬるい
11.お湯に変わるまで時間がかかる、お湯がぬるい
12.お湯の出が悪い
13.お湯の温度がぬるい
14.2号機の乾燥機のフィルターが乾燥機中に外れて、汚れが衣類についてしまう。
15.内窓がしっかり閉まらない為、隙間から光が漏れている
16.内窓がしっかり閉まらない為、隙間から光が漏れている
17.天井の蓋部品の紛失
18.黒シケ現象
19.トイレの便座裏ゴム紛失
20.給水タンク内の水が止まらない。異音等の発生は無し。
21.2F天井裏の配水管から水漏れ
22.給水タンク内の水漏れ
23.火災報知器のカバーとランプが割れる
24.窓カバーの上部レールが外れて、スムーズに開閉しない
25.給水タンクの水が少量で続ける
26.開閉時に異音が発生
27.洗面所蛇口の自在スパイト不具合
28.空調2号機故障
29.8号機故障
30.窓カバーの開閉がスムーズに動かず異音が発生
31.窓カバーの開閉がスムーズに動かず異音が発生
32.お湯の出が悪い
33.窓下の壁クロスに穴が空いている
34.壁紙クロスの剥がれ・カビ発生
35.窓に鳥糞の汚れ
36.浴槽にひび割れ傷
37.窓が閉まらない
38.給湯機の4号機で内部漏電
39.6号機基板交換
40.4号機基板交換
41.2号機基板交換
42.2号機内部漏電
43.8号機内部漏電
44.プラスチック部分の破損(亀裂が入って不安定)
45.窓が閉まらない・隙間風が入る
46.エアコン吹き出し口モーター音
47.窓が閉まらない・隙間風か入る
48.シャワーホルダーがグラグラする
49.客室扉(廊下側)の塗装剥がれ
50.シャワーのお湯の出が悪い
51.配管から複数の水漏れ
52.#1712のランプが反応しない
53.内窓から外の光が漏れる
54.#1907ランプが反応しない
55.ベッドヘッドの照明の支柱が破損
56.内窓から外の光が漏れる
57.窓下の壁に凹み傷(穴)
58.窓カバー開閉時に異音がする(左側)
59.窓の締りが悪い
60.#1917のランプが反応しない。
61.網戸上部が外れて、開閉がスムーズにいかない
62.ウォシュレット不具合
63.窓横のクロスが湿気で剥がれ、黒カビがついている
64.窓横のクロスが湿気で剥がれ、黒カビがついている
65.トイレのレバーのボールチェーンが外れている
66.#1320のランプが反応しない
67.#1515のランプが反応しない.
68.#1611号室のランプが反応しない
69.幅木がめくれている
70.洗面所蛇口の自在スパイト不具合
71.洗面所蛇口の自在スパイトの不具合
72.ロビー天井の照明部分より水漏れ
73.荷物置き台のベルトが一部損傷中
74.玄関タイルがひび割れ、その隙間から水が染み出す
75.窓の閉まりが悪い
76.ベッド下において水の染み出し
77.内窓から外の光が漏れる
78.内窓から外の光が漏れる
79.内線電話がかけられない
80.水道の切替ハンドルの不具合
81.シャワーの切替ハンドル不具合
82.給水タンクの不具合
83.シャワーとカランの切り替えハンドルで「止」にしても止まらない
84.ドアの鍵がかからない
85.ルームキーでドアが開かない

このように記録しておく事で、何がどの場所で良く起こるかが明確に分かり、次に何をしておけば良いかも見えてきます。

建物や設備も人間の身体と同じで、何もメンテナンスせずに放置しておくと体調不良になってしまいます。身体も年を重ねる毎に不良個所が増えるように、設備も同様に年々異常個所が増えてきます。

体調不良であればこうすれば良くなるという方法がインターネットにも載っていたり、病院にいけば治療してもらえたりしますが、設備の場合は残念ながら情報もあまり載っておらず、工務店に聞いても専門外なものも数多くでてきます。

ですので、設備の異常があれば、まずはしっかりと記録を画像と共に残してホテルに知見を残し、更に専門業者がその情報を直ぐに確認、解決できるように工夫をしなければいけません。設備の体調不良を如何に先読みして防いでいくか、HoteKan開発において重要なポイントだと思っています。

関連記事

  1. 記録って、案外難しい。。

  2. 現場のリアルを最小限で伝えること

  3. LAUNCHPAD SEED

  4. 冬至

  5. 見えない情報

  6. 4度目の緊急事態宣言

  7. 政治家との対話

  8. GoToトラベルから1年

最近のBLOG

  1. 2024.05.21

    SusHi Tech Tokyo
  2. 2024.03.19

    TRY ANGLE EHIME
  3. 2024.01.2

    仕事始め
PAGE TOP