前回、アウトプットはインプットよりも身になるといった記事を書きましたが、アウトプットには行動が伴います。
例えば、「本を読む」「記事を読む」「論文を参照する」「セミナーで講義を聞く」などのインプットは省力の受け身型でも出来ますが、「ブログを書く」「記事を書く」「本を書く」「プログラミングを書く」「資料を作る」「人にプレゼンする」「人に電話する」「人に説明する」「ランニングに外に出る」などのアウトプットは能動的に行動しなければいけない為、「よっこらっしょ」とか「さてやるか」といった最初の気合いみたいなものが必要になります。
この最初の気合いを通り越して、実際に0.1でも手と足が動き出せば、意外と進む事ができます。アウトプットのこの最初のやる気の壁にぶつかる度に、「最大静止摩擦力」と「動摩擦力」について中学校の物理の授業で習ったことを思い出します。
「最大静止摩擦」とは、動いていない物体を動かすのに必要な摩擦力で、「動摩擦力」とは、既に動いている物体を動かしている時の摩擦力になります。「最大静止摩擦力」>「動摩擦力」なのです。つまり、物理の公式においても動き出したら抵抗は少なく、動くまでの抵抗がキツイと教えてくれています。
最近、この何かアウトプットをしようとする時の精神的な抵抗とは一体何なのかと、よく考えます。この精神的な抵抗の理由さえ分かってしまえば、どんなアウトプットも比較的簡単に出来るようになるのではと思うからです。
まだ完全には結論は出ていませんが、今のところの仮説としては、「プロスペクト理論」が働いているからではないかと考えています。プロスペクト理論とは、
人は利益を得る場面では、確実に手に入れることを優先し(来年の10,000円より今の1,000円)、反対に、損失を被る場面では最大限にリスクを回避すること優先する(50%で100万円、50%で-50万円ならばやらない)傾向がある
という行動心理学の理論のことです。何かをやり始めるタイミングでは、その行動が「意味あること(リワード)」にも「意味ないこと(リスク)」にもなり得る為、プロスペクト理論から「どうせ意味ないことになる」「どうせ失敗するだろう」「どうせ上手くいかない」「既に誰かがやっていること」といった自分なりの言い訳(独り言)をして、何とかしてリスクを避けようとしているのではないかと思うのです。
プロスペクト理論がなぜ人間において生じてしまうのか、本能的な部分なのか、はたまた脳のバグなのか、もう少し調べてみようと思いますが、いずれにせよ1st Stepにおけるこの抵抗感に打ち克ち、とりあえずやってみるという訓練を実践的にやっていきながら1st Step Method(方法論)を見つけたいと思います。