「Value」を出すために、ひたすら時間をかけて労働をしていましたが、コンサルティングファームでの労働は大きく「情報収集」「情報加工」でした。
「仮説構築」や「戦略策定」とかもよく言われますが、その道のプロでない限り、圧倒的な量と質の情報をいかに早く集めて吸収して仮説を立てて、また仮説ベースで情報を圧倒的に集めて吸収して精度の高い仮説を立てて、といった繰り返し作業をいかに高回転で行えるかの方が重要でした。
その時に重要だったのは、情報の「質」でした。情報といっても質によってランクがあり、大きく「1次情報」と「2次情報」に分かれました。「1次情報」は直接見たり聞いたりした情報のことで、「2次情報」はネット情報や本、新聞などの誰かが言っているもしくはまとめた情報を意味します。一般的には価値が高いのは「1次情報」>「2次情報」です。(更に言えば、「定量情報」>「定性情報」です。)
しかし、それ以上に大事なことは「ソース(出所)」と「鮮度」でした。
つまり「1次情報」にせよ「2次情報」にせよ、「誰が」「いつ」言っていたもしくは調べた内容なのかが一番重要なのです。よく資料のグラフやデータ、テキスト情報の下に「出典:〇〇(〇〇年〇〇月)」と記載がされていると思いますが、この「ソース」がない情報は基本的に信憑性がないものとなってしまい、どれだけ加工して見せても元の情報の所在が分からなければ意味がありません。また「鮮度」が落ちている(古い)情報は利用価値がありません。
私の中で情報の価値ランキングは以下のように考えていました。
1位:「1次情報」×「有識者・専門家(or影響力のある人)インタビュー」
2位:「1次情報」×「関係者インタビュー」
3位:「2次情報」×「有識者・専門家インタビュー記事、IRなど定量的なデータ」
4位:「1次情報」×「一般の人インタビュー(アンケート)」
5位:「2次情報」×「新聞記事」(旬な情報だが加工次第で信憑性が怪しい)
6位:「2次情報」×「本、雑誌」(時間が経って情報が古い可能性がある)
7位:「2次情報」×「ネットまとめ情報」(情報加工者が間に入りすぎると信憑性が怪しい)
ただ、一方で情報の価値ランキングは「情報を手に入れるのが難しいランキング」でもあります。
なので、門外漢の領域のプロジェクトにアサインされたときは、まずは情報の価値ランキングの下の順番から情報を大量に集めて仮説を立て、1次情報用のインタビュー資料を作り、そこから有識者へのアポイント(1位の情報価値)を取っていっていました。
今もデータや資料を見ていると、「この情報ってソースはどこだろ?いつのデータだろ?」と考えてしまう癖があります。