債権者説明会

とうとう身近な部分で、コロナ禍による事業断念のケースが出てきました。ホテル清掃管理をさせてもらっていた愛知県のあるホテルから債権者説明会の案内ハガキが届きました。

そのホテル会社は18のホテルを運営しており、我々が清掃管理していたホテルはその内の一つでした。

担当していたホテルの稼働率はこのコロナ禍においても50%ほどあり、それほど心配していなかった為、この通知ハガキは寝耳に水でした。2ヵ月分の実施した清掃の売掛分は実質殆ど払われないことが分かりました。(せいぜい数%戻るかどうか)

債権者説明会に参加してみて、、

債権者説明会というものにも今回初めて参加しました。壇上に社長と民事再生担当の弁護士が座り、我々含めた債権者が30名ほど疎らに距離を置かれた椅子に座っていました。

社長から挨拶があり、その後、弁護士が民事再生という名の事業の清算手続きの進め方について説明をしていきました。帳簿上のPL/BSと共に、実質の資産評価によるBSが配布資料の中にあり、資産を全て売却しても銀行融資も含めた債権(我々の清掃代も含む)には遠く足りない状況ということが分かりました。

その後、債権者からの質疑応答の時間では、ホテルオーナー側の怒りの声や4月に貸付を実施した政府系金融機関による問い詰めがありましたが、社長自身は時折宙を仰ぐ形で心ここにあらずと言った回答をしていました。

勿論、経営者としてこうしたリスクに備えてキャッシュの確保など対策していなかったと言われれば仕方ないのですが、見ていて何とも言えない気持ちになりました。

自身もホテル経営者として、宿泊需要そのものが全て下がっている今、稼働と売上が激減している状況は、どう対応しても抗うことが出来ないからです。それでもバンザイしてしまえば、このような形でオーナーや債権者、雇用者含めて更に多大なる人達に損害を与えてしまいます。

通常時の経営シミュレーションでは判断を誤る?

東京の大手シティホテルの担当メガバンクの話を聞くと、今年は最大限融資を実施するそうですが、正直返済計画は立たないというホテルも既に発生しているとも聞きます。(それでも大手であれば、Goらしいです。。)

抗えない市場状況によって、宿泊事業者は本格的な体力勝負になってきました。

保有キャッシュと融資枠の最大値がHPになります。確実にどのカテゴリの宿泊事業者もHPは毎月、月末になれば削られていきます。中小企業で複数店舗持っていて、更に建設中の店舗が直近で多いところはHPの減りが早くなっています。

雇調金で多少は調整しながらも、ホテルをオープンさせればスタッフを全員休ませるわけにもいかない為、それほど補助額も多くありません。9月末まで稼働が20%ない状況が続くと、当該のホテルのように、返せない追加借入をせずにバンザイする所が相当数出てきそうです。

宿泊需要がない期間は、持てるだけキャッシュを確保し、如何にコストを減らして、じっと耐え忍ぶしか戦略がなさそうです。。

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