今年も残すところ後4日ほどとなりましたが、10ヶ月前からやってきたコロナが依然として吹き荒れています。3月、4月、5月と宿泊業は大打撃を食らい、7月末から始まったGoToもあり、一般的には9月~11月に半分ほど回復、12月でまた大打撃といった感じです。
当ホテルに関しては、GoToの恩恵はさほどありませんでしたが、稼働ゼロや休業にしなければいけないような壊滅的な月もなかった為、とにかく心折れないように淡々と運営するといった感じでした。
不況時の経営はどうすればいい?
こうした不況下においては、新しい企画や新規の設備投資などをしても売上効果は薄く、「とにかく頑張れ」「意地でも目標を達成しろ」といった右肩上がり方針ではスタッフが無駄に疲弊してしまいます。
キャッシュの心配がなく内部留保が十分の場合は設備投資のチャンスでもありますが、そうではない場合は出来る限り、固定費と変動費の見直しを行い、出ていくコストを出来る限り下げる事が必須です。
5月くらいから当ホテルでも本格的に固定費や変動費の見直しを行い、最低限のコストに調整することが出来ました。ただ、移動が自粛の世の中において、売上サイドは中々上げることは出来ず、効果的な打ち手もなく、じりじりとする毎日です。とはいえ、今年1年なんとかダメージを最小限に抑えて過ごせたと思います。
疲れるからテンションを無駄に上げない
また今までにはない考え方も醸成された気がします。
その中でも一番重要だと思ったのは、「テンションをなるべく一定に保つ」ことです。
ハイテンション、やる気やポジティブも短期間であれば効果的に働く場合もありますが、長期間テンションを上げ続けて結果が伴わない場合はその分疲れもたまり、テンションややる気も大きくダウンします。
更に最悪なのが、そうしたハイテンションやポジティブを人に押し付けるパターンです。自分もFRINGEを立ち上げる時にやってしまいました。。
毎日ハイテンションで長時間仕事をして、「目標に向かって頑張るのは楽しい、充実している、仕事が楽しい」とお互いに言い聞かせていましたが、3ヶ月もするとギスギスし始め、お互いを攻め合う形になり、最悪の結果となってしまいました。
タモリの名言にも「頑張ると続かない」「やる気のあるものは去れ」がありますが、まさにです。
スタッフが自然と改善してくれる
本年はホテルにとって大打撃の年ではありましたが、出来ることは限られる為、感染症対策を行い通常の業務をしっかり行ったら、後は無理せず体調管理だけ気を付けましょうとテンションを上げずにやってきました。
すると、スタッフからオペレーションの改善案(削減できること、簡易化できること)や自身で出来る設備修繕案を出してきてくれたり、自身とは異なるシフトスタッフの業務内容をもっと知っておきたいなどの要望を受けるようになりました。(今までそんなこと一度もない!凄い!)
無理くりTodoや役割を与えるのではなく、適度に自身で考える時間や機会を作ってあげる方が自発的に色々考えて動いてくれるんだと衝撃を受けました。
目標に向かって最短ルートも良いですが、こうしたコロナ禍のお陰で、無駄にテンションや期待値を上げ過ぎず、淡々と過ごし、準備期間として日々の業務を見直したり、新しいことを学ぶ(開発する)ことは非常に大事だと思いました。