清掃会社の立ち上げも行いながら、ホテルの現場改革は引き続き行っていきました。
「現場改革の第一弾」で挙げた、「1.備品・設備」、「2.関係業者」、「3.法人企業(顧客)」、「4.販売チャネル」、「5.業務プロセス」を同時並行的に、進むものから順番に実施していくと、徐々に数字としても結果が出てきました。ただ、これだけでは本当の意味で自力が付いたわけではなく、トップダウン式に取り組める部分を無理やり改革したに過ぎません。
真に変革する「現場改革の第二弾」が「社内人事」です。これは第一弾とは異なり、ロジカルに進められるものではありません。
「社内人事」は、大きく
「1.採用」
「2.社員の教育・評価・待遇」
「3.注意・処罰」
の3分類で構成されると思っています。
「1.採用」に関しては、「採用チャネル」を確立することが重要になります。まずは自社のHPで募集要項を記載して、応募送信フォームや連絡先を明記します。次に、「Indeed」等の無料で載せられる求人サイトに掲載します。最後に、有料の求人媒体に掲載します。有料の求人媒体は、「パート」や「正社員」、「性別」によって掲載する媒体は変わってきます。それぞれ必要な人材に応じて得意な媒体があるので、都度状況に合わせて適切な媒体を選択し、見せ方も毎回工夫しながら、PDCAを回していくことが効果を出す上で非常に重要になってきます。当然、競合がどれくらいの待遇(給与や福利厚生)でどのような見せ方(画像やテキスト)をしているかは綿密にベンチマークを行った上で差別化が出来るとより効果が出てきます。(実際は大きく差別化することは難しいですが。。)
「採用チャネル」を確立した後も、実際に採用・入社に至るまではお互いのタイミングや縁もあり、不確定な要素はあるものの、応募頂いた方への連絡や面接での対応や説明などは、当たり前な事ではありますが、お客様同様に十分に配慮して行うことが大事です。応募頂いた方への配慮が欠けていたり、やり取りがタイムリーに出来ていないだけで、その会社への信頼は落ちてしまいます。
「1.採用」ができたとしても、新しい人材は既存の人材と上手く馴染めなければ、直ぐに辞めてしまいます。
ですので、「2.社員の教育・評価・待遇」にて、新しい人材、既存の人材ともに、段階的に学習ステージを設けて教育と評価の場を作るようにします。その際、人の評価は大変難しく、単にチェック項目を決めてデジタルに評価できるものでもなく、「デジタル」×「アナログ」の両面によって判断することが重要になります。適宜、社内スタッフとは個人面談を設けて、「不安」「不満」や「やりたいこと」「学びたい事」をヒアリングし、業務の中に上手く反映できるように調整します。
ここまで行えば、「社内人事」は大丈夫だと思っていましたが、現場の現実は、そんな甘くはありませんでした。
面談をして、「こういう形でやっていきましょう」となったとしても、そんな事は意にも返さずに業務をサボったり、ごまかしたり、レジのお金が取られたりする。
こうした社内の中で「ダメ」な事をしているスタッフに対して、明確に向かい合い「3.注意・処罰」することが必要でした。
これまでは、何をやっていても注意もされない社内の状況に真面目にやっている分だけ損という風潮が染みついてしまっていました。改めて、当該のスタッフに向き合い「注意と処罰」を明確にすることで、社内で真面目に仕事をしているスタッフが救われることになりました。結果的に、不真面目にサボっているスタッフが会社を離れ、真面目に仕事をしてきたスタッフが残ってくれるようになりました。
ただ、口で言うほど、「社内人事」は簡単ではなく、常に試行錯誤の連続になります。