株主と株式保有率

ホテルの事業承継しかり、新しく立ち上げた清掃会社やスタートアップのFintech会社、当然ながらFRINGEも株式会社であることから、株式と会社の関係性について理解が必要でした。

これまで、戦略系コンサルティング会社に働いていたとはいえ、基本的にサラリーマンの為、会社の株式を保有したり、譲渡したりしたことはありませんでした。しかし、どれだけ小さい会社でも株式会社として設立した場合は、株式を保有・発行することになります。

当然ながら、一人で出資金を全て出して、代表取締役になれば、株式保有率100%で運営の代表も兼ねるので、特に誰かに相談やお伺いを立てることなく、会社の方針を決めていく事ができます。

ただ、共同で出資金を出し合ったり、スタートアップベンチャーで他の会社(例えばベンチャーキャピタル)から出資金を調達する場合は、株主が複数存在することになります。

この時、株主が株式保有率をどれだけ持っていれば、どれだけの権限を持つのかをある程度知っておく必要があります。

一つは、株主が共通して得られる権限は、「配当金を貰える」ということです。(ただ、通常の未上場の同族経営の中小企業の場合、配当金が経費算入できない為、役員報酬に回した方が節税にはなります。)

もう一つは、会社の経営方針に対して口出しをすることができます。その口出しの権限が株式保有率によって変わってきます。

1.100%の株式保有者: 他に株主がいない為、一人で意思決定可能です。
2.66.7%(2/3)以上の株式保有者: 株主総会の特別決議を一人で決定可能です。
3.50%より多い株式保有者: 株主総会の普通決議を一人で決定可能です。
4.50%の株式保有者: 株主総会の普通決議を一人で阻止可能です。
5.33.4%(1/3)以上の株式保有者: 株主総会の特別決議を一人で阻止可能です。
6.25%以上の株式保有者: 相互保有株式の議決権を停止できます。
7.10%以上の株式保有者: 解散請求権の行使ができます。
8.3%以上の株式保有者: 株主総会を招集、役員の解任を要求、会計帳簿を見る事ができます。
9.1%以上の株式保有者: 株主総会における議案を提出できます。

株主総会の「特別決議」とは、普通決議よりも重要な項目を決めるときに行う決議のことで、例えば、議題として「定款の変更」、「取締役・監査役の解任」、「会社の解散・合併」、「事業譲渡」などがあります。

ですので、最低でも50%以上の保有をしていないと、会社で何かを決めていくときに、株主に対して毎回お伺いを立てる必要がありますし、対立関係になれば、株主から解任されてしまうこともあるということです。

株式を他者に対して譲渡する際は、上記の持ち株保有率による権限を踏まえた上で慎重に行う事が大事です。

関連記事

  1. アクセレータープログラム(2週目)

  2. フリーという名の無職

  3. マルチタスクはまともな仕事が出来なくなる

  4. アクセレータープログラム(5週目)

  5. 「プロジェクト思考」と「サステナブル思考」

  6. メンテ

  7. 国内Fintechバブルの終焉

  8. 現場のリアルを最小限で伝えること

最近のBLOG

  1. 2024.05.21

    SusHi Tech Tokyo
  2. 2024.03.19

    TRY ANGLE EHIME
  3. 2024.01.2

    仕事始め
PAGE TOP