「こなす時間」とマインドフルネス

昨今、生産性向上の議論が至るところでなされる中で、集中力マインドフルネスの内容も注目されています。

先の記事、「伝える時間」と「こなす時間」と「深める時間」のバランスにも書いた「こなす時間」は、そのマインドフルネスの思想においても非常に重要な時間と思います。

マインドフルネスというと、禅の瞑想のイメージですが、ベースにある考え方は「自分が行っている事に対して没頭し客観的に見えている」事だと理解しています。

私も平日は、「仕事」において各タスクを分解して10~30分程で到達できるゴールを作り、そのタスクだけを行います。当然ながら、「タスク」中も、途中でメールやFacebookのメッセンジャーや電話、Slackなどで横入り的に邪魔をされますが、出来る限りその区切った時間はそのタスクに没頭するようにします。

また休日は、「家事」において各タスクを分解して、これも10分程で到達できる区間を作ります。具体的には、「決まった順番で掃除機をかける」→「風呂掃除をする」→「トイレ掃除をする」→「洗濯物を畳む」→「ワイシャツにアイロンをかける」と分解します。各タスクを実施している時は、それに没頭するようにします。

まさにこれは、私が永平寺で行った座禅と並ぶ修行の一つ「作務」です。

永平寺の修行によって、鬱だった精神状態を回復できたのは、この没頭することによる「こなす時間」があったからと理解しています。

「こなす」というと「いい加減にやる」といったように聞こえますが、「事前に既に考えられている」からこそ「こなせる」という意味で、非常に重要なことだと思っています。

今日」「今週」「今月」「今年」の区切りで、何をやるか(3~5つ)を常に事前に考えておきます。
(何をやるかは、日々変化していきます。)
それを10~30分程の単位で行動できるようにブレイクダウンして、日々こなしていきます。

ただ、簡単に見えてこれが案外難しいのです。
直ぐに何か他の悩み事や、タスクに頭が支配されて、目の前のタスクに集中できないのです。
逆にこれが出来ると、一つ一つのクオリティも上がり、かつ精神状態も安定し、今自分が何をしているのかも明確になります。

「最高の体調(著者:鈴木祐)」の中にも、具体的な次の事例が書かれていました。
2015年にユタ大学が行った「皿洗い」の実験で、「皿洗いするときは、ただひたすら皿を洗うことだけをする。皿を洗っていることにしっかり心をとめながら皿洗いをする。更に、水の温度や洗剤の泡の感覚に意識を向けながら皿洗いをする。」と指示された被験者は、6分間皿洗いをしただけで、不安や神経症のレベルが27%下がり、新しいアイデアを思いつく確率が25%上がったそうです。

結局は、目の前の作業に没頭できなければ、どんなに大きな目標を立てて理想を描いていても現時点とかけ離れ過ぎて、「不安」に苛まれる一方だということです。

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