現場改革の第一弾の中で、重要な要素となってくる「2.関係業者」の棚卸および再選定は、思った以上に大変でした。インターネットを使って、備品や設備ごとの項目ごとに業者を検索し、現在発注している内容について改めて相見積もりをとっていきます。
「朝食材料」などは、比較的に業者も多く、得意不得意な材料もあるため、色々な業者が手を挙げてくれました。
しかし一方で、相見積もりを取ろうとしても、業者がほとんど手を挙げてくれない業界もありました。
こうした項目に関しては、競争環境にない業界の為、クオリティが担保されない事が往々にしてありました。
「清掃会社」はその一つでした。
これまでの清掃会社は酷い品質で、清掃後の客室の最終チェックをホテルのフロントスタッフで毎日、全室見なければダメなレベルでした。その清掃会社も自分達ではさすがに管理しきれないと思ったのか、下請の清掃会社を紹介するといって、逃げてしまいました。押し付けられた下請の清掃会社もこれまでと同様のレベルで品質は酷く、更に酷いのはその会社の社長で、「現場の事は現場のスタッフのせいです」と言い切るどうしようもない人でした。
「ホテルにおける清掃」は、単なる掃除とは異なり、客室のお客様の持ち物の取り扱いや滞在中のお客様への配慮や挨拶、設備への対応など、ホテルサービスの品質そのものを左右する重要な内容です。
業者がどうしようもないといって、諦めてしまっては、ホテルの品質を業者のせいで一部諦めるようなものなので、それは何とかして避けたいと思いました。
そこで、自らが「あるべき清掃会社」を立ち上げれば良いのではないかという結論に至りました。
ちょうどその時に運良く、信頼のできる品質の高い清掃ができる人と出会い、一緒に会社を立ち上げることにしました。