前回の記事にて、「無名なものをブランド化」するには「Who We Are」をまずは明確にすることと書きました。
今回は、それをどのように人に伝えて行くのかについて考えたいと思います。
先の4つの視点からの質問に順番に答えていくと、自然にユーザーの動向や指向を踏まえ、自社のサービスや商品の立ち位置を明確にしていくことが出来たと思います。そこで出てきた文章の中から言葉をいくつか並べていくと、大事なキーワードが見つかってきます。
そのキーワードが、「ブランド化」の前提となる「ブランドアイデンティティ(BI)」の欠片になります。
これを基に、「ビジュアル化」を行っていきます。
「ビジュアル化」において、一番重要なのが「ロゴ」です。
その商品やサービスを代わりに主張してくれる大事なマークになります。
そして、「カラー」と「フォント」などの「デザインルール」です。
色や構造が出来てきたら、一言で表現できる「キャッチコピー」を考えます。
そこまでいけば、後は、ユーザーに接する場所(もしくは接して欲しい場所)に自己主張していくことです。
ユーザーに接する場所としては、「パンフレット」「名刺」「封筒」「箱」「紙袋」「Webサイト」「資料」「店の看板」「街頭広告」「雑誌広告」「新聞広告」など山程あります。
ただ、何にでも出せばいいわけではなく、「ブランドアイデンティティ」に沿った形で一貫性のある見せ方をしていく必要があります。(例えば、高級ブランドが新聞の折り込みチラシに出していけば、ブランド価値が下がってしまいます。)
この「ビジュアル化」における一つの一貫したルールがその商品やサービスの「ビジュアルアイデンティティ(VI)」となります。
ただし、これをすれば必ず「ブランド化」されるというものではありません。しかし、「無名なもの」をどこにも置かなければ、当然「無名なもの」のままです。
「無名なものをブランド化」するには、一貫した自己主張をしていく、ただし毎回口頭で説明するには機会が少ない、だから「ビジュアル化」して適切なユーザーに向けて真摯に伝えて行くということなのです。
ただし、この大量の情報という海の中、人々は出来る限り多すぎる情報を無視するように脳が指示しています。(興味ない、知らない、読まない、行動しないのです。)そんな中で伝えて行くことは、正直非常に難しいことです。
ただ、どのブランドも何もしないで勝手に有名になったものはありません。ステップバイステップで徐々に拡がり、あるきっかけでドカンと有名になっています。
中小企業が出来る「ブランド化」の第一歩は、まずは自社の商品とサービスを改めて再認識し、その良さを「識別・差別化」できるように、最も適切な表現にて「ビジュアル化」して色々なタッチポイントに出していくことだと思います。
「ロゴ」にしても「キャッチコピー」にしても、商品・サービスだけでなく時代の流れ・ユーザーの指向性によっても変わっていくものです。なので、これを作れば100点という事はありません。根本のBIは変えずに、VIは改善していけば良いと思っています。
私もどの商品・サービスにおいてもまだ全く出来ていませんが、徐々に積み上げられるように、まずは第一歩からやっています。