文字の発明とメンテナンス

ホテル管理アプリの「HoteKan」を開発・営業をしながら、最近感じる事が「文字の発明」がとんでもなく凄いことで、一方で、文字を100%活用することは案外難しいんだなという事です。

なぜ急にそのように感じるようになったかと言うと、HoteKanを色々な宿泊施設で導入していく際に、「書いてあるものを読む」は比較的に誰もができる・やってもらえるのですが、「読んでもらえる(記録する)為に書く」というのは、習慣の壁を越えないと簡単にはできない・やってもらえないと分かったからです。これが先程の「文字を100%活用することは案外難しい」という感想に繋がります。(読むの50%は活用されるけど、書くの50%が中々難しい。)

ただ、その習慣の壁を越えて、アナログの知見が文字や写真としてアプリ内に見える化されると、メンテナンスの知識が広範囲のメンバーに伝達できるだけではなく、それを文字や写真をベースにして、更に見識やノウハウを深めることが出来ることが出来るのです。そしてこれが「文字の発明がとんでもなく凄いこと」という感想に繋がります。

文字の発明がもたらしたこと

文字の発明の最大の効果は、「脳みそ以外の外部記憶装置を持てるようになった」ことだと思います。つまりは、全部頭の中に覚えておかなくて良くなったのです。

文字にして、記録・いつでも出せる・見やすい状態にしておけば、場所を超えて、更に時間を超えて、知識を積み上げていけるようになったのです。

具体的には、数学の難しい問題を解くのも頭の中で最初から最後まで数式が並べられなくても、一つずつのモジュールとして数式が文字として書き出せれば、解くことができるのです。

実際に文字の発明によって、文明が発展し、広大な土地の管理などもできるようになり、経済が発達するきっかけになりました。(文字を普及させたエジプトやメソポタミアと比べて、文字を特権階級のものとして閉鎖的利用をしていたインダス文明は発展することはありませんでした。)

「書く」を導入する

知見を積み上げる上で、最も大事なことは「読み」「書き」の中でも「書き」な気がしています。清掃管理(メンテナンス)のアナログ領域でも、現状「書き」の文化がありません。ここに現代の電子ツールであるアプリを用いて、「書き」の文化を作る事で、アナログ領域の知見が爆発的に向上していくと確信しています。

この時に大事なことは、その習慣の壁を壊す為に、組織の中でも「2:8」の「2」の革命派軍団(優秀という意味ではなく変化が嫌でない人)に初めに利用してもらうことです。

どんなにイケているアプリを開発しても「2:8」の「8」である保守派軍団(平凡という意味ではなく変化がそれほど好きではない人)に任せてしまうと、いつまで経っても利用(入力)されることはありません。

アナログ領域に「文字」を導入したら

アナログ領域に「書き」を導入することは、「文字」がない世界に「文字」を導入することに近い感覚にて、大変ではある一方で、習慣の壁を越えた後の急激に変化していく様子(ある種文明が出来始める感じなのでしょうか)が非常に面白いですし、やりがいがあります。

メンテナンスという世界に文明が起きた時、どのような状況が起こるのか、しっかりと見てみたいと思います。

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