「デジタル」×「アナログ」

これまで比較的に「ロジカル」で「デジタル」な形で物事を捉え、解決する仕事をしてきた中、急にホテルや清掃といった「エモーショナル」で「アナログ」な領域で仕事をすることになりました。

初めは、「ロジカル」に、また「デジタル」に解決をしようと模索しましたが、「アナログ」が当たり前からの急な方向変換は、当然ながら上手くはいきませんでした。

悩んだ末、まずは「エモーショナル」で「アナログ」なやり方を自分なりに実践してみて、理解しようと思いました。その上で、「ロジカル」の土俵に解釈して、それぞれの「アナログ」部分を構造化して、落とし込んでいく。「アナログ」の代表格となる仕事の「」に当たる部分も、出来る限りプロセスを分解して、定量に落とし込める部分は「デジタル」に見える化する。

例えば、清掃で言えば、「仕事を良くやっている」という定性的な「アナログ評価」を定量的な「デジタル評価」に変換していく方程式を作っていきました。

仕事を良くやっている」=「生産性が高い(1部屋当たりの清掃時間が短い)」×「品質が高い(清掃不備のクレームがない、もしくは清掃に関する高評価の口コミが増えている)」

のように因数分解していくのです。

そうすると、「1部屋当たりの清掃時間」を毎日スタッフ別に測定することで生産性の変化を追いかけることもできますし、OTAの口コミを確認したり、ホテルからの清掃不備の履歴高評価のコメントをデータベースとして残しておく事で、実際に品質が高いかどうかを定量的に測定することが出来ます。

どうしても人間は時間をかけて一生懸命に仕事をしていれば、主観的に「よく頑張った」となってしまうのですが、主観ではなく、客観的にその頑張りがどれくらい結果に繋がったかどうかを「見える化」することが非常に大事だと思っています。いかに、「時間をかけずに効率的に結果を出せる」ような工夫を毎日考えながら走っているかを重視しています。

ホテルの業務プロセスも、この「アナログ」→「デジタル」変換を行っていくことで、1ヵ月経つ毎に同じ作業が「1時間」から「30分」、「30分」が「10分」になり、最終的にその作業は必要なくなるといった形で、日々の業務を走りながら改善を回していくことができるようになりました。

ただ、絶対に忘れていけないのは、「アナログ」の中には「デジタル」を上回る知見とノウハウが含まれている事が多いという事です。単純に何でもかんでも「デジタル」化すれば良くなるわけではありません。「デジタル」化した時に、拾えきれなかったアナログの大事な部分(人的なソフト部分)を上手く残しながら、「勘ピューター」を補完する「デジタル」を構築していくことが大事になります。

こうした経験から、FRINGEにおいて、「アナログ」を上手く「デジタル」に変換し、
一方で「デジタル」に上手く「アナログ」の良さを注入するようなサポートができないか考えるようになりました。

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