これまで経験してきた仕事の多くは、「プロジェクト思考」型でした。
期間とおおよそのゴールや方向性が決まっている中で、上手く目的関数となる数式を構造化(スコープ、論点)して、制約条件のパラメータを揃え、目的関数の値が最大化される条件を導き出す考え方です。
例えば、コンサルティング業務で言えば、「〇〇技術を活かした新規事業開発支援」や「3カ年中期経営計画の策定」、「20年後の〇〇業界の世界観の策定」などクライアントからプロジェクト単位で仕事が切り出されます。短いもので2ヵ月~3ヵ月、長くても半年~1年といった感じです。また、Web制作業務で言えば、新規HPやECサイトの公開が一つのゴールにて期間もある程度決まっています。
なので、これまでは、新しいプロジェクトを年間いくつもこなしていく事、一つのプロジェクトには終わりがある事が当たり前の仕事のやり方でした。
こうした「プロジェクト思考」型で慣れていた中、「ホテル」や「清掃会社」といった比較的長期に日々継続していく形の事業に携わることとなり、初めは正直混乱しましたし、空回りもしました。
「プロジェクト思考」ではゴール時点でピークに持っていければ、その後どうなろうが知ったことではないという部分が正直あったからです。
「ホテル」や「清掃会社」など日々運営を続けていく事業の場合、ある期間プロジェクトとして急激に伸ばしたとしても、その後継続しなければ何も意味はありませんでした。それどころか急激な変化は、無駄に疲弊することとなり、スタッフも辞めてしまったり、定着しない現象も起きました。
当然ながら業務プロセスやツールなど改善すべき所は山程あるのですが、ある方向性のゴールは見据えつつも、徐々に変化するような誘導が大事だと途中で気づきました。
「マーケティング」や「カスタマーエクスペリエンス」など機能モジュールで切り出して、「プロジェクト思考」を一方で行いつつも、全体としては継続しながら進む「サステナブル思考」をベースとして持つ。「昨対比」と言った短期的なPLのみにて考える手法では、片手落ちであることを継続性の必要な事業を行う事で初めて気づくことが出来ました。