先の記事で、「呉子」から「強い組織の作り方」についてヒントを貰っている事を書きました。
その他にも「呉子」からは学ぶべきものが多くあります。
その一つに、「四軽二重一信」があります。「呉子」の中の「治兵第三」にある下記の内容です。
武侯問うて曰く、兵の道何をか先にせん。
起対えて曰く、四軽二重一信を先にせん。
曰く、何の謂ぞや。
対えて曰く、地をして馬を軽しとせしめ、馬をして車を軽しとせしめ、車をして人を軽しとせしめ、人をして戦を軽しとせしむ。
明らかに検易を知れば、則ち地は馬を軽しとする。
時以て芻秣すれば、則ち馬は車を軽しとする。
膏管余り有れば、則ち車は人を軽しとする。
鋒鋭く甲固ければ、則ち人は戦を軽しとする。
進みて重賞有り、退けば重刑有り。
之を行うに信を以てす。
審らかに此こに達すれば、勝ちの主なり。
「四軽」・・・馬、(馬が引く)戦車、(戦車に乗る)人、戦うこと自体
「二重」・・・恩賞、刑罰
「一信」・・・信用
を意味しているのですが、これは現代の事業運営においても重要な示唆があると思っています。
「四軽」・・・オフィスのインフラ、(PCやファイルソフト、アプリなどの)仕事ツール、従業員、仕事自体
「二重」・・・昇給・昇格や表彰、降給・降格や解雇
「一信」・・・理念・方針
のように自分は置き換えて、考えています。
いかに、従業員(人)が仕事しやすい(戦いやすい)ように、インフラ(馬)や仕事ツール(戦車)をより使いやすい(軽い)環境を整えるかが非常に重要なことと思っています。
FRINGEのSERVICEページにも書いてあるように、既存のプロセスを「早く」「安く」「簡単に」見直しすることは、結果的に事業推進する上で、小難しい戦略を考えるよりも百倍重要で効果があるからです。
ただ、後半の「二重」と「一信」というのが、更に重要であることは間違いないです。そして、この「二重」と「一信」ほど、難しいものはないと最近つくづく感じています。
結果を出した人間には、きっちり惜しまず昇給・昇格をし、問題を起こした人間には、きっちり処罰をする。どうしても感情的に、仲の良い人間を優先してしまったり、それほど普段接していない人は遠回しにしてしまったりするものです。
それを一切排して「二重」を「一つの信念」に沿って実行する。
今は全然出来ていませんが、少しずつでも出来るように常にこの事を忘れずに日々事業推進しております。