ホテル改装とアクティブ運用

今年も名古屋は暑くジメジメとした夏を迎えています。雨が降ったりやんだりの梅雨時期です。

そんな中、ホテルの1Fロビーの改装を行いました。

11Fフロアのサウナ・お風呂フロアの改装を今年の9月以降に行うのですが、その前哨戦として1Fロビーを改装しました。熱田神宮から歩いて数分のうちのホテルならではの案内ガイドも作って頂き、非常に落ち着く空間になりました。

家具も全て1900年代前半に作られたものを中心に、ホテルが今後長期的に使われていくことを想定し、直ぐに飽きられてしまわないデザインかつ素材で配置いただきました。

こうした大規模な改装において、いつも頭を回るのは、「パッシブ運用」か「アクティブ運用」かです。

パッシブ運用的に考えれば、現状の需要や市場、お客様のセグメントを重視し、そうした人達がお金を効率的に落としてくれるような設備投資計画をすることが重要です。金融機関も設備投資後の売上高・営業利益の上げ幅、利回りを細かくヒアリングしてきます。

一方で、そうした短期的な変動に惑わされずに、大きな視点で結果的に大きな効果を生み出す「アクティブ運用」的視点で考えることもできます。

今回はまさにそちらの考え方で設備投資を行っています。

今まで利用されてこなかった層にも使ってもらったり、何より施設全体の雰囲気が良くなることで、勤務するメンバーがより活き活きと働けるようになることの方が効果として大きいと考えています。

現在、宿泊施設では、「まともな人材の不足」「施設の老朽化」問題でどこも悩んでいます。所属せずに気軽に働けるタイミーやメルカリハロが台頭するように、今や働く側は雇う側よりも圧倒的に強い存在になっています。

強いアイデンティティを持たない事業や施設では、完全に働く側に舐められ、雇う側は辞めないようにとひたすら気を遣いながら、あまり働いてくれないスタッフを尻目に経営状況の悪化に日々胃を痛めています。

こうしたタイミングで市場のベンチマークをゴリゴリ分析して、優良事例を真似して「パッシブ運用」で成功できるのは、よほど資金に余裕のある大企業か不動産企業くらいです。弱小の中小企業は潤沢な予算もないため一点突破、独自の尖りを出して、新たな市場を開拓するしかありません。

とはいえ、尖ればお客さんが来てくれるわけではないので、そこは色々な工夫、仕込みが必要です。

うちのホテルで言えば、熱田神宮のそばにあるビジネスホテルは他にはないというのが強い尖りになります。11Fのフロアが完成した後、どのように市場から評価されるのかは楽しみでもあり、心配でもありますが、新たな提供価値としてまずは石を置くと何かが始まると感じています。

HoteKanのアプリも全国様々なところからお声がけ頂けるようになってきました。そうした状況をプレスリリースやHP、SNSなどで見える化する重要性も最近分かってきました。

新たな石を置き、ぐるぐると回してみる。

移動をすることで得られる頭の中の新たな思考回路の増設を最近感じている日々です。

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