前回の記事に引き続き、「攻守最強の脳内物質」について、どんな時に、どうすれば分泌されて、どういう効果を出すかについてまとめたいと思います。
【攻守最強の脳内物質】
7.エンドルフィン【短中長期】
「7.エンドルフィン」は、昼夜関係なく分泌される脳内ヘロイン(麻薬)になります。ヘロインと同じように、効果としては多幸感や恍惚感を得ることができます。更にそれだけではなく、ストレスに対する鎮痛作用(ストレス解消)や癒し効果、記憶力や想像力の向上、免疫力向上や抗癌作用、身体的な回復力も向上します。
では、どのようにすればエンドルフィンは出るのでしょうか。方法は2パターンで、「極度のストレス状態」か「極度のリラックス状態」になることです。一つ目の極度のストレス状態の具体例としては、下記が挙げられます。
1.生きるか死ぬかのギリギリの状態: マッチ売りの少女(限界から幸せな幻覚を見る)
2.ランナーズハイ: 長時間のマラソン→しんどい→高揚→幸福感
3.激辛料理: 激辛を激痛と脳が認識
4.激熱風呂に入る: 激熱を激痛と脳が認識
5.鍼治療をする: 痛みと脳が認識
もう一方の極度のリラックス状態においても分泌することができます。例えば、下記のような状態です。
1.ペットで癒される
2.瞑想
3.座禅
4.ヨガ
5.クラッシック音楽や好きな音楽を聴く
6.自然の音(川のせせらぎ等)を聴く
7.自然の綺麗な風景を観る
8.好きなもの・美味しいものを食べる
9.アロマの良い香り
10.心の状態が平穏なとき
11.人に感謝をしたり、感謝されるとき
12.ボランティア活動をする
他にも、性行為や油っぽいものやチョコレートを食べてもエンドルフィンを出す事ができます。脳内麻薬だけに、究極の快感であることは間違いないのですが、それが極度の痛みや辛さ、苦しみと極度の平穏、リラックスという2つの真逆の状態から得られるのが面白いと感じます。
人間の記憶で覚えているものが、「めちゃくちゃしんどかった経験」か「非常に心地よかった経験」のどちらかなのもエンドルフィンによる記憶力向上と結びついているものと思われます。
日常で得えようとすれば、極度のストレスよりもリラックス状態からの方が当然良いので、上手く組み込むとすれば、日常業務の中でスーパーリラックス状態である「フロー状態」を作ってしまうのが一番早そうです。フロー状態とは、
一つの活動に深く没入し、他のものも問題とならなくなる状態。
その経験それ自体が非常に楽しいので、純粋にそれをすることのために多くの時間や労力を費やすような状態。
こうしたフロー状態を日常の業務中に作り出すには、仕事の段取りを完全に把握していることが重要なようです。つまり、次に何をしたら良いかや何をしようかと考えてしまうと、そこで集中が切れ、フロー状態に入ることは出来ません。例えば、イチローのルーティン業務であったり、料理人、職人などがこのフロー状態を日常的に体感しているものと思われます。
休日にリラックスして、美味しいものを食べてエンドルフィンを出すのも良いですが、平日の日常業務の中で決まった時間に段取りを完全に把握している業務を集中することで、毎日の中にフロー状態を作ってしまうのも身体的にはハッピーなことなのかもしれません。