以前、「スタートアップ」と「中小企業」の違いという記事で、「スタートアップ」という企業の性質について言及しました。
普段、自分自身が地方にいて、中小企業を営むことが当たり前になっていると、まだなかなか「スタートアップ」というものがどんな生き物なのか掴みかねる部分は多いのですが、東京に行くと、数多くの「スタートアップ」企業に出会う事が出来ます。ただ、「我こそはスタートアップ」という会社の人達も、大きく2つに分類されるなと会う度に感じます。
その自分なりの分類としては、「なんちゃってスタートアップ」と「まっとうなスタートアップ」です。
「なんちゃってスタートアップ」の人達は、スタートアップの資金調達の仕方や成功事例をひたすらベンチマークして勉強していて、そういう話ばかりしますが、大概、自社のビジネスをほったらかしにしていて、今会社がどんなプロダクトを開発していて、サービス改善しているのかなどを具体的に答えることができません。
そうした人達は、どこかで拾ってきたようなアイデアに固執し、それっぽい事を言って、大きく資金調達できるストーリーをどうやったら描けるかをひたすら考えています。そして、大きく見せる為に、家賃の高いカッコいいオフィスを借ります。そして、それをイケてると思う胡散臭い人達が集まり、その人達を採用し、体裁は何となくそれっぽくなっています。
ただ、こうしたユーザ不在の活動は、ビジネスという視点で考えた時、どう考えても意味不明です。(こうした「なんちゃってスタートアップ」の経営層は比較的に高学歴な人が多い印象です。成功したスタートアップ会社と同じようにやれば、同じように成功するという教科書的な論理展開をしているのでしょう。よくわかりませんが。。)
一方で、「まっとうなスタートアップ」の人達は、ターゲットとするユーザに関する動向や情報を熟知して、いかに自社のプロダクトやサービスに反映できるかをひたすら考えています。
「スタートアップ」の良さは、大企業と違って、政治的にゴマすりをしなければいけない上司もおらず、直接的にユーザへの新しい提供価値を作り上げ、拡げていけることだと思っています。
「まっとうなスタートアップ」の人達は、社内政治の話よりも、ユーザに関する話をしています。
「ユーザにとっての価値とは何か?」をひたすら考え、直ぐにプロダクトとサービスに反映、効果測定して、その結果を受けて、直ぐにまた改善する。こうした会社は、実際に結果を出していると思います。
そういう意味で、実は根っこの部分では、東京の「スタートアップ」も地方の「中小企業」も大事な部分は全く同じなのかなと思っています。