最近は、Zoomでの初対面での打ち合わせも当たり前になってきました。本日も初対面の企業とZoomで打ち合わせをしました。久しぶりにコンサルティングファームの方と話ができ、矢羽の資料を見ると懐かしい気持ちになりました。
内容としては、先方のお客様である大手ディベロッパー向けに在庫管理ソリューションを提案する中で、FRINGEでも開発しているHoteKanの連携適用が可能かどうかのヒアリングでした。
これまでであれば、大手Sierがフルパッケージで提案していた内容かと思いますが、クラウドサービスが増え、フルパッケージの使いづらさやメンテナンス、費用での問題もあり、コンサルティング会社がモジュール的なプロダクトを繋ぎ合わせて、クライアントに提案するパターンも出てきたんだなと感じました。
こうした流れは非常に良い流れかと思います。どうしてもSIerだけで大規模な要件定義を行い、その企業向けに長期間かけてパッケージを作ってしまうと、新しいサービスがどんどん安価に出てきたり、市場環境や事業環境がどんどん変わっていく中で、直ぐに陳腐化してしまいます。
如何に、フットワークの軽いプロダクトやサービスを現場のオペレーションに違和感ない形で適用し、フレキシブルにプロセスを変動させていくかが今後重要になると思います。
真のDXとは
そういう意味でのDX(デジタルトランスフォーメーション:アナログ業務を適切にデジタル化していく)は大事です。ただし、DXという流行り言葉に振り回されて、何でも業務をデジタル化すればよいというわけではありません。
これこそIoTやAI、Fintech等のように言葉だけが一人歩きして、結果、広告代理店によるフワッとしたコンセプトチックな提案に大企業や政府機関がお金をいっぱい払っただけという惨状を繰り返すだけになります。
DXを推進する上で必須なのは、
1.そもそもDXによって何を実現したいかを先に決めているか(コスト削減、業務時間削減、品質向上、マーケティング活用)
2.現状の現場のプロセスが資料ベースではなくリアルに分かっているか(誰が、どの手段で、どんな情報を、どのタイミングで、どのぐらいの時間をかけて、どの場所で、どんな作業をしているか)
3.ITシステムによって出来る事を分かっているか(対象データ、データベース、使用端末、インプット・アウトプットデータ)
になります。この3つの内、1つでもフワフワしていると、実際には適用されても何が今までよりも良くなったのか良く分かりませんし、現場は単純にやり方が変わって負担とストレスが増えるだけになります。
ただ現実には、大企業の決裁権を持つ偉い人の多くはあまり内容が分からず、「スマホ一つで業務を丸ごとDX」と提案すれば、「それ、今時だねー」となって採用となる可能性も高いです。。
業務の全てを置き換えるのではなく、適切な部分だけを置き換える判断が出来ること、その後の時代の変化にも適切に対応できるような土台にしておくことが非常に重要です。
DXという言葉のマジックに惑わされず、現状プロセスをアナログもしくはデジタルに相性の良い部分に明確に分解すること、そこから始めることが良いと思います。