私がコンサルティングファームで働いていた時に散々聞いた「Value」とは一体何なのだろうと今もよく考えます。
日本語でいえば、「価値」となりますが、これがなかなか難しい言葉だなと思いました。
Wikipediaで調べてみると、
「価値(かち)とは、あるものを他のものよりも上位に位置づける理由となる性質、人間の肉体的、精神的欲求を満たす性質、あるいは真・善・美・愛あるいは仁など人間社会の存続にとってプラスの普遍性をもつと考えられる概念の総称。殆どの場合、物事の持つ、目的の実現に役に立つ性質、もしくは重要な性質や程度を指す。何に価値があり、何には価値がない、とするひとりひとりのうちにある判断の体系を価値観と言う。」だそうです。
ちょっと抽象的でよくわからないので、「経済学における価値」という部分を更に調べてみると、
「経済学では商品市場で取引される価値(交換価値)を二つの面から研究する。欲求の充足という消費面からのアプローチが効用価値説で、もう一つが生産面からアプローチした労働価値説である。
効用価値説とは、価値の根源を人間の欲求に求める説。欲求は主観的なものであり、異なる個人間での比較のための絶対的尺度とはなり得ない。交換が行われるのは、相互の欲求に差異があるからであり、交換により双方が利益を得て(消費者余剰、生産者余剰)、パレート効率を達成する。効用価値説は価値を商品固有の属性とは見なさないため、価値という用語の代わりに効用を用いる。効用は個人に特有で主観的なものであり、異なる個人の効用は比較できない。そして、取引成立のための最終交換単位による効用の増加分(限界効用)が価値(価格)決定に大きな役割を果たすことを明らかにし、古典派経済学で言う使用価値と交換価値とを、効用と限界効用によって消費面から統一的に説明した。
労働価値説とは、人間の労働が価値を生み、その労働が商品の価値を決めるという説。アダム・スミスやデヴィッド・リカードを中心とする古典派経済学で考えられ、カール・マルクスに受け継がれた。」
とWikipediaに書いてありました。
つまり簡単に言うと、ビジネスでの「価値」つまり「Value」とは、「お客様が足りていない部分を提供してお客様がいいねと思うサービス」もしくは「(徹夜して人が)働いた時間自体」ということでしょうか。
結果的に、コンサルティングファームにいた頃は、初めは「(徹夜して人が)働いた時間自体」しか価値として提供できませんでした。徐々に、「お客様が足りていない部分を提供してお客様がいいねと思うサービス」を意識しながら仕事をするようになりましたが、このお客様という定義自体も難しかったのを覚えています。
基本的には「お客様」とは、サービスに対してお金を払ってくれる人なのですが、法人の場合は、プロジェクトの担当者をお客様として良いのか、法人という組織をお客様として良いのか悩みました。そもそも法人という組織の意思とは誰が決めているのだろうというのも分からない時もありました。(社会人になる前は、会社の社長だと思っていました。)
いずれにせよ、「Value」とはお客様のレベルが高ければ高いほど、とてもブラックなもの(めちゃくちゃ働かなくては価値が出ないもの)なのだなという理解をしています。