ビジネスシーンでたまに聞くのが、「仮説」という言葉です。人によって使い方が微妙に違う言葉の一つです。
(「マーケティング」とかの言葉も人によって意味が異なります。)
Wikipediaで調べてみると、「仮説とは、真偽はともかくとして、何らかの現象や法則性を説明するのに役立つ命題のこと。別の言い方をするならば、何らかの実際の現象や規則性に出会ったものの、その現象や規則性が出現する仕組みや機序が知られていないような場合に、それを説明するために、人が考え出した筋道や推論の前提のことである。何らかの現象(事実)を説明することが出来るように考えて作った命題は、命題それ自体は事実に合致していることがわかるまでは全く真偽不明なので、あくまで「仮の説」なのである。」とありました。
何だかよくわかりませんが、つまりは、とりあえず「置いてみる」ってことだと理解しました。
たまたま、朝のテレビ番組で「水泳のクロールで全力のバタ足は余計遅くなる」という内容を観ました。
この「水泳のクロールで全力のバタ足は余計遅くなる」という命題が「仮説」ということだと思います。仮説を立てると、「それは本当か?」となるので、実際に検証(調査)ができるようになります。
番組でも実際に、水泳の選手3名が「全力のバタ足」バージョンと「ゆるめのバタ足」バージョンでクロールを泳ぎ、タイムを測定していました。(実際にタイムは短くなっていました。)
これによって(検証がこれで十分かどうかは置いておいて)、「クロールの全力のバタ足は遅くなる(仮説)」→「実測したらその通り(検証)」→「仮説は正しい」という一つの結論を出すことができました。
「水泳の最速の泳ぎ方は何か?」を見つけるのは難しいですが、「水泳のクロールでは安定感重視のバタ足の方が速い」を見つけることは比較的簡単ということです。
つまり、「仮説」を立てることは、ベストな方法は分からないけれど、ベターな方法を見つける上では有用なやり方だということです。ビジネス上では日々状況が目まぐるしく変化する中で、理想の事業の在り方を永遠と模索し続けていたら、その間に事業や会社が倒れてしまいます。なので、まずは今よりもベターなやり方を見つける為に「仮説」を立てて、PDCAを回しているのです。
ただ、事業を行う上で一番重要なのは、「仮説構築」以上に「実行」です。
本田宗一郎の有名な言葉に、「理念なき行動は凶器、行動なき理念は無価値。」がありますが、まさにその通りだと思います。