助成金の罠

桜の季節ですが、今年は例年よりも早目に咲いていたイメージです。
入園式や入社式なども始まっていますが、近所では既に葉桜になっています。

コロナに関しては、大阪で過去最多の感染者数のニュースもあり、昨年から改善された気配はありません。
当ホテルでは、入社式の利用などで昨年同様4月の前半は比較的に稼働(50%以上)していますが、来週以降はまた減りそうな雰囲気です。

所属している愛知県のホテル旅館組合からの冊子が今日届きましたが、冒頭の会長挨拶の文面は昨年とは異なり、「我々が何か悪い事をしたのだろうか」「GoToトラベルを反対する人は宿泊業で生活している人を潰す気か」といったかなり激しい論調で、余裕がない深刻な状況が伝わりました。

個人的には、GoToトラベルで「安売り今だけ」みたいな事はせずに、移動や宿泊での安全性を証明していく方が中長期的には効果的な気がしています。

とはいえ、近々で厳しい状況の中で宿泊業としては、どうしてもGoToや様々な助成金、追加融資などに頼らないと生きていけないのが現実です。最近ですと、「事業再構築補助金」という金額的にも6,000万円と比較的大きな額で出ているものが話題です。

ただ、事業再構築補助金も有象無象が申請してくることを想定してか、かなり厳しめの選定基準が出されました。
https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/pdf/shishin_tebiki.pdf

完全に今やっていない新しい事業である必要があるということで、宿泊業であればレンタルオフィスやウィークリーマンションに転換するなど事業形態そのものを変えないといけなく、ただの客室の改装や修繕には使えない形となりました。

うちも一部フロアの用途&そのフロアの事業形態の変更を検討してみましたが、「1/3は自社で負担しなければいけない」&「用途変更してもその後の収益が合わなそう」という理由で止めました。

「補助金」や「助成金」という名前は、どこか無料でお金が貰えるラッキーと思う人も多いようで、やらなくても良いのにやらないと損と思って申請する人も多いようです。

実際のその後の収益シミュレーションをしておかないと、単にイケていない新規事業の企画に、一部とはいえキャッシュを突っ込んで、結果回収できないという事になってしまいます。

また、適当な内容で申請して怪しい部分があると、公的に目を付けられる可能性が高くなります。

知っている宿泊業でも助成金に関して目をつけられて、突っ込まれる部分があったようで、全てのメールやSlack、出張先のホテルへの電話など、警察も出動して徹底的に調査されたようです。

税務署の調査もそうですが、一度疑われた会社は何度も入られます。最終的に、お金だけの問題だけではなく、名前が公表となれば会社の信用の問題(金融機関からの与信や顧客からの信用)にもなってきてしまう為、助成金もちゃんとやらないと非常に危険です。

助成金を代行で申請する会社なども多く出てきていますが、採択されれば手数料を10%くらい貰って後は知らないという会社も多い為、助成金という甘い罠に引っかかって、会社のキャッシュや信頼を逆に失うことのないように注意をしていきたい所です。

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