最近、コロナの影響なのか、ホテルのお客様で強いクレームを出される方が増えてきました。これまでであれば、クレームにすらならないような内容(冷蔵庫に飲み物を多く入れ過ぎて入りきらない等)でもお客様の怒りの沸点をポンと超えてしまうケースが出てきています。
時間を取って対応をしていると、自然とお客様も冷静になって落ち着いてくるのですが、初動を間違えると怒りが怒りを呼び、他も何かダメな点があるはずだと疑心暗鬼状態になってしまい怒りが倍増してしまう事があります。
先週から今週にかけて全国的に40℃近い猛暑になっており、コロナでマスクもしなければいけないしで、イライラ状態は全国で拡がっている気がします。
間違った怒り方は致命傷
怒りの沸点を超えてしまうと、取り返しのつかないことを口走ってしまったりして、ビジネス上もプライベート上も非常に危険です。怒りの矛先のないコロナ状況において、自身の怒りや感情をコントロールすることは、この未曾有の状況を乗り切る上で不可欠と言えます。
怒りのコントロールとして「アンガーマネジメント」があります。そもそもの怒りとは、怒りの材料となる「マイナス感情」が多く溜まっている所に、自分の理想である「べき論」が崩されたときにスイッチが入り、怒りが発動されます。つまり、材料となるマイナス感情(辛い、不安、悲しい、恥ずかしい、苦しい、罪悪感、心配、憎い、疲れた、空虚感、焦りなど)が普段から多く溜まっていればいる程、ちょっとした「そうあるべきではない状況」によって、爆発するのです。
更に、怒りは人から人に伝播する為、怒っている人の傍にいたり、そうした人を見ていると、自分も怒りが出てきてしまいます。
つまり、怒りをコントロールするには、
1.日頃からマイナス感情をなるべく溜めないように努力する
2.自身の理想論(べき論)を厳しくし過ぎない
3.怒りの傍には近づかない
ことが重要になります。
とはいえ、当然「怒り」は自然の感情なので、それ自体は問題ではありません。問題なのはその出し方なのです。
かのアリストテレスも下記の名言を残しています。
「怒ることは誰にでもできる。ただ怒るのは簡単なことである…しかし適切な相手に、適切な程度に、適切な場合に、適切な目的で、適切な形で怒ることは容易ではない。」
怒りの元となるマイナス感情を日頃から解消しておく
冷静に怒る為にも、普段から「食べる」「寝る」「運動(有酸素)する」を意識して、マイナス感情を出来る限り日々溜めないようにしなければいけません。また、べき論のスイッチが入ったとしても、最低でも「6秒」は時間をおいて多少なりとも気持ちを整理してから行動することです。
ただ問題なのは初めにもあった怒っている人(クレーマー)を対象とした場合です。当然怒鳴ったり、理不尽なこともぶつけてきますので、こちらも緊張状態(心拍数上昇)となり、究極は防衛本能としての怒りの感情も生まれると思います。そうした時はまずは相手のペースに乗っからず、こちら側はまずは傾聴し、そしてゆっくり話をしてペースを緩やかにします。すると、意図的なクレーマーでない限りは殆どの場合は落ち着いて話してくれるようになります。
コロナによる鬱々とした雰囲気にのまれない為にも、自身のアンガーマネジメントと他者がワーワーしている時に引っ張られないようにすることを継続的に努力する必要がありそうです。