FRINGEが現在リニューアル開発を行っているHoteKanについて、今回初めて「リーン・スタートアップ」の方式で開発を進めています。
リーン・スタートアップで顧客の声をプロダクトに反映し続ける
リーン・スタートアップとは、顧客や市場の声を聞きながら、「構築」→「計測」→「学習」のサイクルをぐるぐる回していき、開発する施策の一つ一つが顧客の定量的な数字や定性的な満足度の上昇にどれくらい寄与したかを明確にしながら進めていく方式です。
ですので、自分達の中で勝手に思い描いた市場ニーズ(ホワイトボードに書いたようなやつ)に向かって、専門のエンジニアを雇ってゴリゴリに大規模なプロダクトを作るみたいなフリーフォール方式とは真逆のやり方になります。
今回のプロダクトは幸いにもターゲット顧客が私が運営するホテルでしたので、開発しては実際に使ってみて現場のリアルな声を直ぐに確認できるサイクルが作れました。まだ開発は途中ではありますが、その中で気づいた事をまとめておこうと思いました。
現場のリアル感をどのように机でPCの人達に伝えるか
HoteKanを作るきっかけとなったのが、現場の状況が見えにくくなったことにあります。
うちのホテルでも11階建てで166室の部屋数があります。
その166室の部屋の状況が今どうなっているのか、机に座ってパソコンでカタカタやっていると、全く分からなくなっていたのです。
部屋の状況が分からないという事は、実際にそこに泊まられるお客様の状況が分からないという事と同値ですから、非常にマズイことです。
ただ、恐らくこういった現場の肌触り感がなくなる現象はどの業種・会社においても起きることと思います。「企画」「開発」「営業」だけでも各現場の雰囲気が共有化されることは中々ありません。
現場の肌触り感とは、まさに現場にあるモノのサイズ・色・場所・雰囲気であり、そこで働く人のタイプ・人数・動線・やる気・モラル・スキル・気分・悩みなどです。
現場には「人」「モノ」と「行動」があります。
なので、「人」と「モノ」がリアルに見えないと、離れた所から指示をしても実際の「行動」に結びつけるのは難しい気がしています。
現場は「行動」しているから「報告」「共有」は最小限にさせて欲しい
では現場がよく見えるようにしようと、報告書をフォーマット(ExcelやWordなど)に従って毎日管理者に送るように命令してしまうと、現場は限りなく疲弊します。
現場で何より大事なのは「行動」だからです。
行動しながら、報告・共有するのに、パソコンで作らなければいけないフォーマットなんて「本当に勘弁」なのです。「反応、反射、音速、光速」とどこかで聞いたことのあるフレーズくらいの簡単さ、速さで報告・共有できないといけません。
画像と動画で素早く共有、双方向にコミュニケーションするツールを
そのためには「画像」であり「動画」が最も情報力が多く、現場が目に見えます。そして報告という「現場」→「管理」の一方通行だけでなく、「管理」→「現場」へのコミュニケーション(チャット機能)も重要になってきます。
現場が画像として直ぐに目で見え、そして一言二言でも現場と管理者が実際にコミュニケーションができること、これを意識してHoteKanを更に良いプロダクトに改良していこうと思います。